「多文化共生・日本社会を考える」連続シリーズ第1回「入管法改正30年を超えての日本での日系人労働者問題」の実施報告

掲載日:2021.07.19

イベント |

概要

「多文化共生・日本社会を考える」連続シリーズ第1回「入管法改正30年を超えての日本での日系人労働者問題」の実施報告
開催日:2021年7月19日
主催:JICA
場所:オンライン・セミナー(Zoom)

主な参加者

講師:林 隆春 氏((株)アバンセコーポレーション ファウンダー)
挨拶:吉田 憲 氏(JICA中南米部 部長)
参加者:計140名強

背景・目的

150年以上前から海外に移住した日本人の子孫、日系人は中南米に200万人以上を数え、日本国内にも約30万人が在住している。国内の日系社会の現状・課題、日系人の日本社会への貢献、共栄共存、日本のあるべき姿などを題材にJICA内外の関係者に情報発信・共有を行い、今後の課題解決に資することを目的としたセミナー、「多文化共生・日本社会を考える」連続シリーズを今年度開催。その第1回が、国内で日系ブラジル人等の就労を支援してきた林氏を講師として開催された。

内容

実社会の現場経験豊富な林氏の実体験と、リアリティを感じるデータの提示のもと、日系人労働者を受け入れた企業の考え方、日系人の労働実情、就労者の精神的問題の相談内容、就労後の高齢化やフードバンクなどの福祉などの課題について問題が提議された。
講演の後、20件以上寄せられた質問(「日本社会が外国人受け入れにもっと積極的になるには何が必要か?」「行政だけが悪いとも言い難い。何処を対応すれば問題解決の糸口につながるか」、など)に対し講師から丁寧に回答された。
また、セミナー終了後すぐに寄せられた多数のアンケート回答では、91%の方がセミナー全体に大変満足か満足と回答され、講演内容には「馴染みがあり良い内容」との答えが56%、「馴染みがないが良い内容」との答えも28%あった。
セミナー全体としては、以下のような感想が寄せられ、主なものを紹介したい。
「外国人労働者問題は、彼らを受け入れる社会のあり方を問う問題であることを改めて考えさせられました」
「共感・許容という言葉が心に残りました」
「『日系社会は日本社会の歴史そのものだ』という点が、特に質疑応答の回答の際に、現場の生の声を通じて、現場の状況を知る中でとても良く伝わってきた。日系人社会、日系人の問題ではなく、日本社会の問題であり、広い視野でこの課題について検討していきたいと思った」