ルワンダ大学にて「JICAチェア」連続講義を開催

掲載日:2021.08.25

イベント |

概要

会議名:ルワンダJICAチェア・講義
開催日:2021年6月16日(開構式典)、2021年6月30日(第一回講義)、2021年8月25日(第二回講義)
主催:国立ルワンダ大学・JICAルワンダ事務所
場所:国立ルワンダ大学、オンライン

主な参加者

登壇者

開講式典

ルワンダ教育省大臣 バレンタイン・ウワマリヤ氏
元駐日ルワンダ大使 チャールズ・ムリガンデ氏
駐日ルワンダ大使 ルワムキョ・アーネスト氏 (オンライン参加)
国立ルワンダ大学学長 アレクザンドレ・リャンババジェ氏
在ルワンダ日本大使 今井 雅啓氏
JICA理事長 北岡 伸一(ビデオメッセージ)
JICAルワンダ事務所長 丸尾 信

第一回講義

国際大学 加藤 宏 教授

第二回講義

新潟県立大学 黒岩 郁雄 教授

参加者

国立ルワンダ大学教員・学生、ルワンダ政府関係者、元本邦留学生、元JICA研修生、JICA事業関係者等

背景・目的

JICAは、開発途上国の各分野で将来のリーダーとなる人材を育成すべく、本邦大学と連携し、2018年から「JICA開発大学院連携プログラム」を実施しています。この一環として、海外のトップクラスの大学等を対象に、日本の開発経験を学ぶ機会を国外にも広げることを目的とした「日本研究」の講座設立支援を行うプログラム「JICAチェア」を新たに開始しました。

2019年の2度に亘るルワンダ共和国カガメ大統領の訪日時に、北岡JICA理事長との間で面談が行われました。面談時にカガメ大統領からルワンダでのJICAチェア実施へ関心が寄せられたことから、関係者間で協議を進め、今般、国立ルワンダ大学にてJICAチェア講義が開催されました。

本講義は、日本の開発経験や教訓をルワンダの将来を担う人材に伝え、ルワンダの経済・社会発展に資する次世代のリーダーを育成するとともに、自国の将来的な発展を考えるきっかけとなることを目的としています。

内容

本講義実施に先立ち、2021年6月16日に開講式典が開催されました。式典では、ルワンダ大学長の開講挨拶に続き、ムリガンデ元駐日大使から日本の開発の歴史や日本とルワンダの類似性に触れつつ、本取組みの意義をご紹介頂きました。次いでJICA北岡理事長のビデオメッセージを上映し、本講座が日本とルワンダの間の理解促進だけでなく、双方の開発経験から学び合える場となることへの期待が寄せられました。その後ルワムキョ駐日大使、今井在ルワンダ日本大使からも本プログラムの人材育成へ期待が寄せられ、最後にウワマリヤ教育大臣より、他者から学び知識を共有する価値について言及があり、開講が宣言されました。第一回講義は6月30日に開催され、ルワンダ大学副学長の開会の挨拶に次いで、JICAルワンダ事務所長がJICA開発大学院連携の概要及びJICAチェアの趣旨を紹介しました。加藤教授による講義「アジア・アフリカの経済発展に対する日本のODAの貢献」では、ルワンダにおける日本の政府開発援助の歴史や考え方と特徴について説明されました。質疑応答では、日本社会の文化や伝統が日本の開発に与えた影響、ルワンダの知的集約型経済に必要な要素、重債務貧困国(HIPCs)救済イニシアチブにかかる質問などがあり、活発な議論が展開されました。最後に、ルワンダ大学副学長から、日本及びJICAの協力にかかる謝意とパートナーシップ強化の必要性について言及されました。8月25日の第二回講義では、黒岩教授により講義「東アジアにおける産業政策と発展の経験およびアフリカのグローバルバリューチェーン(GVC)主導型産業開発について」を実施しました。東アジアにおける産業政策と発展、及びその独自性や、GVC主導型産業開発の概要(経済的効果や近年のトレンド等)、サブサハラアフリカにおけるGVC参入率の現状とルワンダでの展望等について説明されました。質疑応答では、「ルワンダのような内陸国がGVCに参入する手段の一つとしてICT産業振興が挙げられていたが、それだけで全体産業振興に繋がるのか」等の質問がなされ、活発な意見交換がなされました。両講義共にルワンダの発展に非常に参考になる内容であったと参加者から高い満足度が得られ、ルワンダ大学からも、今後のJICAチェア講義への期待が示されました。今回の成果と課題・教訓を踏まえて、引き続きルワンダの発展に寄与する講座をルワンダ大学との協働の下に実施していきたいと考えます。

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北岡理事長からのビデオメッセージ

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第一回特別講義の様子

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第二回特別講義の様子