イランの廃棄物管理関係者へ日本の廃棄物管理対策の知見を打ち込み!有機性廃棄物対策に係るウェビナーの実施

掲載日:2021.09.08

イベント |

概要

セミナー名:イラン廃棄物管理セミナー 第1回「乾燥地帯と湿潤地帯の埋立地における廃棄物管理」 第2回「有機性廃棄物の管理」
主催:独立行政法人国際協力機構(JICA)、イラン都市地方管理機構
場所:オンライン

講師

東京工業大学 中崎 清彦 教授
北海道大学 石井 一英 教授
JICA国際協力専門員 吉田 充夫 専門員

イラン側参加者

内務省-都市地方管理機構 副機構長 レサブタラヒ氏
内務省-都市地方管理機構 局長 ハビブ・ラジ氏
地方廃棄物管理機構責任者等 約130名

内容

近年、イランの都市部においては、農村地域からの急速な人口流入による都市化にインフラ整備が追い付かず、廃棄物の増加が顕著となっており、早急な対策が望まれています。

イランの主要都市においては、収集運搬は概ね各都市の廃棄物管理計画に基づき実施されています。リサイクルできるものを選別、焼却や破砕、脱水等を行う中間処理の積極導入も始まっており、生分解性有機ごみによるコンポスト製造も普及してきています。しかし、最終処分状況は、地方、都市を問わず多くが事実上のオープンダンプ(適切な処理をせずに、ごみがそのまま捨てられている状態)や不定期に覆土を行うコントロールダンプであり、衛生埋立地は数えるほどしかありません。このため、降雨量の多い湿潤地帯においては、埋立地からの浸出水による環境汚染が極めて深刻な状況です。

このような状況の中、イランの内務省都市地方管理機構は、JICAに対して日本の廃棄物管理の知見を求めており、JICAはウェビナーを3回にわたり開催します。第一回目は2021年4月28日に実施され、多様な自然環境下の埋⽴処分場の改善、廃棄物からのエネルギー回収について北海道大学の東條准教授、京都大学の高岡教授から発表されました。

2021年9月8日に実施された第2回ウェビナーでは、日本の固体廃棄物のコンポスト化利用や、新しいコンポスト化への取組み、製造法、バイオマス利活用事業のシステム分析やバイオガス化プロセス等について、東京工業大学の中崎教授、北海道大学の石井教授から発表されました。イラン国内の約80拠点をオンラインで繋ぎ、約130名がウェビナーに参加しました。

イラン側からは、「メタン発酵での問題点は何か」「コンポストの製造過程について」「日本では何故廃棄物の分別が成功しているのか」等積極的な質問も出されました。セミナー後も、多くの質問が送られてきており、日本の廃棄物管理の知見を積極的に学ぼうとする姿勢が見られました。

これからも廃棄物管理分野において、JICAイラン事務所は積極的な協力を継続していく予定です。

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会場(都市地方管理機構本部)での様子

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会場(都市地方管理機構本部)での様子