アジア地域初の長期連続講義!インドネシアにおけるJICAチェア「日本開発研究講座」の開講

掲載日:2021.09.16

イベント |

概要

会議名:アジア地域初の長期連続講義!インドネシアにおけるJICAチェア「日本開発研究講座」の開講
開催日:2021年9月16日
主催:JICAとインドネシア大学の連携
場所:インドネシア、オンライン

インドネシアにおいて、同国最古の高等教育機関であるインドネシア大学の人文学部と連携し、単位認定を受ける長期連続講義(オンライン)として、9月2日にJICAチェア「日本開発研究講座」が開講し、日本人講師による初回講義となる9月16日には北岡理事長が登壇しました。同初回講義には、受講生の他、インドネシア大学人文学部長を始めとする教職員など132名が参加し、インドネシアと日本の歴史的つながりや、日本の近代化の原点となる明治維新のポイント等について理解を深めるとともに、今後の講座への期待を膨らませました。本講座は、2021年12月16日まで、全16回の講義から成る予定です。

主な参加者

北岡理事長
インドネシア大学人文学部学部長 アデュリアヌス・ラウレンス・ゲルン・ワウオルンテュ博士

背景・目的

「JICAチェア」は、開発途上国の各分野で将来のリーダーとなる人材を育成すべく本邦の大学と連携して2018年から実施されている「JICA開発大学院連携プログラム」の一環として、日本の開発経験を学ぶ機会を開発途上国現地でも提供するため、各国のトップレベルの大学などを対象に、JICAが日本研究講座の設立支援などを行うプログラムです。

インドネシア大学は、同国内でも最も古い高等教育機関かつ最高学府の一つであり、同国の政治・外交・経済の中核を担う人材を育成する中心的な役割を果たしており、人文学部に設置されている日本研究センターは、同国における日本研究をリードしてきた存在です。また、JICAはこれまで無償資金協力による施設整備及び技術協力による研究者支援・共同研究を実施してきており、同経緯を踏まえて、インドネシアでは同大学人文学部をパートナーとしたJICAチェアが実現しました。

同大学をパートナーとしたJICAチェアについては、2021年6月にJICAチェア特別講義「日本の公衆衛生と保健医療制度の変遷」を開催し、また、日本財団による図書寄贈事業と連携し、同大学人文学部日本研究センターに図書寄贈(約130冊)を実施してきています。

内容

2021年9月2日(木)、同大学人文学部とJICAの連携により、アジア地域で初めてとなる単位認定型のJICAチェア長期連続講義として「日本開発研究講座」が開講されました。当講座では、DVD教材「日本の近代化を知る7章」を活用し、受講生による自己学習と日本人の特別講師による講義との組み合わせにより、2021年9月2日から12月16日の間、毎週木曜日に全16回の講義がオンラインで実施されます。同講義には、同大学人文学部の学生の他、日本研究に関心のある他学部の学生、更には、同大学と単位互換制度を導入しているインドネシア各地の他大学の日本研究の学生など、111名が受講登録を行っています。

9月2日、当講義の開講に先立ち、JICAと同大学の間で、JICAチェア事業実施にかかる覚書に署名し、その後、同日に行われた初回講義の冒頭においては、同大学人文学部学部長アデュリアヌス・ラウレンス・ゲルン・ワオルンテュ博士、JICAインドネシア事務所小川重徳所長より、開講の挨拶が行われました。

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インドネシア大学人文学部学部長 アデュリアヌス・ラウレンス・ゲルン・ワオルンテュ博士

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JICAインドネシア事務所 小川重徳所長

また、9月16日(木)に行われた日本人講師による最初の講義では、北岡理事長が登壇しました。講義の冒頭で、インドネシアと日本のかかわりの歴史に触れ、16世紀には既に両国間で交流が行われており、日本の鎖国下においてもインドネシアは日本にとって西洋に向けて開かれた窓であったこと等を紹介したうえで、DVD教材第1章「明治維新:近代化の原点」のポイントについて説明しました。

続く質疑応答の際には、同大学や他大学の受講学生から、明治維新において日本が急速な西洋化を選択した理由、西洋化によってどのような軋轢が生じたのか、明治維新が日本の社会経済に与えた影響は何か(職業選択の自由や大衆の政治参加等)、士農工商制度の廃止後においても「武士」の伝統的な精神が重んじられた理由など、多岐にわたる質問が寄せられ、北岡理事長から、具体例を交えながら丁寧な回答と解説がなされました。

講義の最後は、北岡理事長から、受講生達が世界の開発に貢献し、日本とインドネシアの関係深化を担う両国の架け橋となって欲しい、とのメッセージで締めくくられ、同大学人文学部長のアデュリアヌス・ラウレンス・ゲルン・ワオルンテュ博士より、JICAへの謝意が述べられました。

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北岡理事長による質疑応答

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コース受講生

JICAは、引き続き日本の開発経験を学ぶ「JICAチェア」を推進し、開発途上国の人材育成に貢献していきます。

資料