イラン国別研修「地方自治体における防災能力強化」フォローアップウェビナーの実施

掲載日:2021.10.06

イベント |

概要

セミナー名:イラン国別研修「地方自治体における防災能力強化」フォローアップウェビナー
主催:独立行政法人国際協力機構(JICA)、イラン都市地方管理機構
場所:オンライン

日本側講師

京都大学防災研究所 教授 牧 紀男氏
兵庫県立大学 特任教授 本荘 雄一氏

イラン側参加者

内務省 都市地方管理機構 局長 ハビブ・ラジ氏
都市地方管理機構 地方局責任者等 約30名

内容

イランは、これまで地震、洪水などの自然災害による被害を度々受けてきました。こうした状況に対応すべく、JICAは様々な防災協力を展開しており、2017~2019年度には、イラン都市地方管理機構(Municipality and Rural Management Organization, MRMO)を対象に、国別研修「地方自治体における防災能力強化」を実施しました。同研修では、政府及び自治体の災害対策が十分に実施されておらず、防災計画の策定、非常時の指揮系統や救助体制の構築や改善が課題となっていた状況に対して、防災体制の強化と防災計画の策定及び実行に向けた支援を行いました。今回のウェビナーでは、この研修に参加した帰国研修員達をオンラインで繋ぎ、研修参加時やその後に作成した地方防災計画案の進捗状況、研修後に実施した活動の成果などを発表する機会を設けました。

ウェビナーの冒頭では、MRMOのハビブ・ラジ局長より、JICAの協力に関する感謝が述べられ、続けて、JICA地球環境部 永見防災グループ長から、JICAの防災・復興グローバル・アジェンダに関する取り組み、都市強靭化に向けた防災事前投資の重要性について発表を行いました。

その後、MRMOと2019年度の研修に参加した帰国研修員から、地方防災計画の策定手法を示した「8ステップ演習(注)」を通じて作成した各都市の防災計画の進捗状況に関する報告がありました。発表者からは、研修参加時に作成した地方防災計画案に沿って、リスク理解や災害対応時の体制強化に加え、河川整備等のハード対策についても、各都市により着実に実行されていることが共有されました。

当時研修で講師を務めた兵庫県立大学の本荘雄一特任教授、京都大学防災研究所の牧紀男教授からは、定期的・定量的な進捗評価や、中長期的な視点に立った計画の策定の重要性についてフィードバックがありました。

今回のウェビナーを通じて、イランの各都市が、災害対策の進捗について整理を行い、今後の課題を明確化することで、これらの都市及び他の都市における強靭化に向けた取り組みが促進されることが期待されます。
これからもJICAはイランの防災分野において、積極的な協力を継続していきます。

【画像】

ウェビナーの様子