【実施報告】テヘランにてファシリテーター・ワークショップ開催!-カルーン河上域参加型森林草地管理能力向上プロジェクト-

掲載日:2021.11.08

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イランにて実施されている「カルーン河上域参加型森林草地管理能力向上プロジェクト」では、2021年11月7日~8日、プロジェクトの村落活動を担う現地の村落ファシリテーター及び実施機関関係者計30名を首都テヘランに招き、能力向上ワークショップを実施しました。

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ワークショップに参加したJICAプロジェクトチームと村落活動ファシリテーター達

プロジェクトで重要な役割を担う村落活動ファシリテーター

過放牧や干ばつにより荒廃してゆく森林・草地の保全には、現地の住民の理解と参加が必要不可欠です。同プロジェクトでは、村落活動ファシリテーターを媒介に、村落住民の参画促進と、草地保全に資する生計向上のための活動を実施しています。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、約2年間、日本人専門家チームは現地に渡航することができませんでしたが、村落住民や行政機関と信頼関係を築きながら、森林・草地保全と村落発展のための活動を担ってきたファシリテーターの活躍により、プロジェクトの村落活動は少しずつではあれ発展を遂げてきました。

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ワークショップでは2年ぶりにイランに渡航した日本人専門家、プロジェクト実施機関であるFRWO(森林・牧草地・流域管理機構)、NRWGO(州自然資源流域管理局)のプロジェクトチーム、JICAイラン事務所関係者出席のもと、各州のファシリテーターがコロナ禍の2年間に自分達がイニシアチブをとりながら実施してきた活動を報告し、専門家の意見やアドバイスやフィードバックを受けつつ、学びに活かす貴重な機会を得ました。

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コロナ禍でもファシリテーターの活躍で実施されたいくつか村落活動の例

高温で乾燥する夏は大規模な林野火災の脅威にさらされます。FRWO、NRWGO、JICAプロジェクトでは、他機関連携を取り入れた林野火災対策に取り組んでいます。林野火災では早期発見と初期消火活動は重要であり、地元住民の役割が大きいため、ファシリテーターが中心となり現場で実践を含めた林野火災対策研修を実施しました。

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ローレスタン州の山火事対策研修

イランでは森林草地が荒廃する一つの理由に家畜の過放牧があげられます。持続的ではない粗放な放牧に利用されている草地を、保全しながら収益を上げることが可能となるハーブや薬草栽培を導入することで、地域住民の生計向上につながり、土壌保全にも効果的です。

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チャハールマハール・バフティヤーリ州の薬草栽培活動

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チャハールマハール・バフティヤーリ州の薬草栽培活動

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チャハールマハール・バフティヤーリ州の薬草栽培活動

新型コロナ感染症による数々の制限により、プロジェクト活動は大きな困難に直面しましたが、それでも前向きに工夫しながら事業を推進してゆくことが大切だと関係者一同再認識したワークショップでした。また、各州のファシリテーターの皆様が別の州の活動を知ることで、お互いに教訓を生かしたり、工夫を取り入れたり、新たなネットワークを構築したりと、州外に活動の普及を展開させる基盤も出来始め、今後の活動がさらに充実されると期待されます。