イランと日本の経験共有シリーズ・セミナー「乾燥地農業・干ばつ対策に係る研究開発」を企画・実施しました!

掲載日:2021.11.29

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国土の多くが乾燥地・半乾燥地に属するイランでは、近年の気候変動により、干ばつや水不足が日々深刻な問題になってきています。乾燥化や砂漠化は国という枠組みを超え、周辺地域そして地球全体の環境にも関わるグローバルな課題です。

JICAイラン事務所は、10月12日~11月24日の間に鳥取大学乾燥地研究センターの協力を得て、イラン農業開発推進省向けに「乾燥地農業・干ばつ対策にかかる研究開発」をテーマとする5回のシリーズWebinarを開催しました。累計364名の参加者があり、各回活発な議論が交わされ盛況に終わりました。

乾燥地対策はグローバルな課題!鳥取大学乾燥地研究センターの取り組み

鳥取大学乾燥地研究センターは、日本で唯一の乾燥地研究機構です。日本は乾燥地には属しませんが、鳥取砂丘にて植林や静砂垣による防砂技術を発達させ農業を可能とした経験を活かし、世界の乾燥地の課題解決に活用できる学術研究に取り組んでいます。現在、同センターは世界の大学や研究機関の共同研究拠点ともなっています。
今回は、乾燥地研究センターより1)「乾燥地研究センターによる国際研究」山中典和教授センター長、2)「水の生産性と節水灌漑」藤巻晴行教授、3)「乾燥地に適応したコムギの品種育種」辻本壽教授、4)「干ばつ管理」坪充教授の4回の講演が行われ、各回とも活発な質疑応答が行われました。そして5回目はイラン側の乾燥地農業研究の現状の発表があり、今後の協力の可能性についてのディスカッションが行われました。

ご協力いただいた鳥取大学乾燥地研究センターの教授陣

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山中典和教授/センター長

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藤巻晴行教授

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辻本壽教授

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坪充教授

イランとの研究の歴史

イランは1970年代後半に、同センターが初の海外学術調査を開始した相手国でもあり、テーマによっては数々の共同研究や共同論文執筆の実績もあります。
また、イラン農業開発推進省にも日本の大学で学位を取得したり、以前鳥取大学との共同研究に携わった関係者も多くいることから、繋がりが深く友好的です。
両者とも国家という枠組みを超えて、乾燥地の問題を解決するための使命と方向性が同じであることから、将来的にも多くの分野で共同研究をするポテンシャルがあることが分かりました。

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1970年代のイランとの共同学術調査

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1970年代のイランとの共同学術調査

今後、ますます重要性が高まる地域の問題を解決するために、まずは研究者同士の交流や情報共有を通じて、様々な角度で研究や開発に貢献することが期待されます。

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セミナーの様子:農業省や大学関係者等、累計364名の参加があった