フィジーを拠点とした第2回地域研修の実施について

掲載日:2021.12.09

イベント |

現在、当機構JICAでは「太平洋地域ハイブリッド発電システム導入プロジェクト(広域)」の一環で第2回地域研修(オンライン)を開催しましたのでお知らせいたします。

本プロジェクトでは、太平洋地域の5ヵ国、フィジー、ツバル、キリバス、ミクロネシア、マーシャルを対象に、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の導入状況等を踏まえたディーゼル発電機(以下、DG)の適切かつ経済的な運用・維持管理に加えて、再エネの適切規模での導入・運転を支援し、DGと再エネによるハイブリッド発電システムの導入を推進しています。

本研修では、フィジーを中心とした研修体制の構築のため、フィジーの政府機関、電力会社職員がトレーナー(講師)となり、他4ヵ国の技術者にハイブリッド発電システムに関する必要なノウハウ、技術、運用維持管理について2019年11月に実施した第1回地域研修での講義をさらに深堀りした内容で実施しました。また、持続可能な研修体制に向けて、各トレーナーへの研修参加者からの評価、研修参加者への研修後のレベルチェックテストを行い、一定の成績者には研修修了証を発行することにより、トレーナーおよび参加者の士気高揚に繋がるようにしました。

本取り組みはフィジーのトレーナーにとって貴重な経験としてノウハウが蓄積され、参加国の技術者も一同に会して意見交換を行う絶好の機会となりました。今後、今回の研修内容での課題を改善しながら第3回地域研修の実施に向け準備を進めていく予定です。

開催日程

DG研修:2021年11月15日~11月24日(内8日間)
再エネ研修:2021年11月29日~12月9日(内9日間)

開催方法

Web会議システム(Zoom)を使用し、日本(沖縄、東京)、フィジーおよび対象4ヵ国から同時接続。

参加者

DG研修においては、フィジーからトレーナー8名、ツバルから5名、キリバスから4名、ミクロネシア4州から19名、マーシャルから15名の総勢51名が研修に参加。

再エネ研修においては、フィジーからトレーナー8名、ツバルから5名、キリバスから6名、ミクロネシア4州から24名、マーシャルから9名の総勢52名が研修に参加。

研修内容

DG研修

1日目

  • 開講挨拶
  • 安全について
    (オーバーホール作業時の安全について測定(機械・電気))

2日目

  • DGの基礎知識
    (DGユーティリティシステム)
    (ヒートバランス)
  • DGの運転
    (需給管理)
    (DG経済負荷分散運転(EDC))

3日目

  • DGの運転制御
    (ケーススタディ)
  • DGの基礎知識
    (DG(電気)の主要設備)

4日目

  • DGメンテナンス
    (発電所の保守・点検管理)
    (OH作業の準備/安全/タグ/稼働時間/検査種類の概要/スペアパーツ)
    (測定器や専用工具の使用方法)

5日目

  • DGメンテナンス(機械)
    (シリンダーヘッド)
    (その他設備)
  • DGの基礎知識
    (燃料消費率)
    (ガバナ)
    (ブラックアウトからの復旧)

6日目

  • DGメンテナンス(機械)
    (シリンダーライナー、ピストン、カムシャフト)
    (その他設備)

7日目

  • DGメンテナンス(電気)
    (DGのメンテナンス)
    (遮断器の検査)
    (電気部品の点検)

8日目

  • DGメンテナンス
  • 閉講挨拶

再エネ研修

1日目

  • 開講挨拶
  • PVシステムの概要
    (フィジーの離島でのPV統合計画)
    (GGGI(Global Green Growth Institute)が資金提供するEV調査の紹介)

2日目

  • PVシステムの概要
    (パワーコンディショナー:FRT機能/自主運転防止/MPPT制御/スマートインバータ)
    (バッテリーシステム:種類、特性、コスト、デザイン、インバーターなど)
    (パフォーマンスレシオ/設備利用率/稼働率)

3日目

  • 再エネ統合計画
    (グリッドコード)
    (保護システム/電力品質/周波数/電圧制御範囲)
    (システム安定化)
    (グリッドフォーミングインバーター/慣性システム)

4日目

  • 再エネ統合計画(3日目の継続)
    (フィジーにおける再エネ推進策)
    (固定価格買取制度(FIT)/ネットメータリング(NEM))

5日目

  • 再エネ統合計画(4日目の継続)
  • PV設備 計画とシステム設計
    (基本計画および設計(連系点の検討/PV量推計演習/概算費用見積/基本仕様書作成))

6日目

  • PV設備 計画とシステム設計
    (計画段階)
    (計画案/現地調査/関連省庁および電力会社との協議/グリッド接続の技術要件(AU/NZ規格))
    (PVアレイの設計(演習))

7日目

  • PVシステムの設置及び試運転
    (PVシステムの設置及び試運転の手順(AU/NZ規格))
  • PVシステムメンテナンス
    (メンテナンススケジュール)
    (メンテナンスの種類)

8日目

  • PVシステムメンテナンス
    (メンテナンスレポート)
    (PV施設の運用)
    (PV設備検査時の測定器を使用した測定(セルラインチェッカー、ストリングトレーサー、絶縁抵抗測定等))

9日目

  • PV設備 計画とシステム設計
    (Homerソフトウェアの紹介)
  • 閉講挨拶

【画像】

フィジー EFL 総務・広報マネージャーKarunesh Rao氏による開講挨拶

【画像】

JICA本部 社会基盤部資源エネルギーグループ小早川次長による開講挨拶

【画像】

JICA 小川チーフアドバイザーによる開講挨拶

【画像】

各国からの研修参加者(画面)

【画像】

フィジートレーナーによる講義

【画像】

日本の専門家チームがサポートを行う