セントルシア「JICAチェア・オンラインセミナー」を実施

掲載日:2022.02.07

イベント |

2022年2月7日(月)夜(セントルシア時間)、サー・アーサー・ルイス・コミュニティ・カレッジ(SALCC)との共催で、「Educational Development and Modernization in Japan and Lessons for Saint Lucia」と題したJICAチェア・オンラインセミナーを開催しました。

セントルシアにおいては初めてのJICAチェア・オンラインセミナーであり、JICA緒方貞子平和開発研究所の萱島顧問を講師に、DVD「日本の近代化を知る7章」の第5章「日本の近代化と教育」を上映した後、日本の教育協力、セントルシアにおける日本の教育協力について講義を行いました。質疑応答では、日本における教育普及の理由、西洋の教育との相違点、日本の技術教育などについて質問があり、活発な議論が行われました。

オンラインセミナーセミナーの概要

(1)萱島研究所顧問による講義

「日本の近代化と教育」上映後、以下の点を説明。

  • これまでの日本の教育協力の柱は、1)基礎教育、2)高等教育、3)職業訓練・技術教育であったが、新たな領域として、復興支援、特別支援教育、就学前教育にも取り組んでいる。日本の協力の特徴としては、1)ODA全体における人的資源開発の重視、2)日本の経験の活用、3)日本の経験の現地化、4)協力相手国のオーナーシップ重視、がある。
  • セントルシアでは、協力隊員派遣を中心に、初等教育(理数科、音楽)、職業訓練、カリキュラム開発、特別支援教育、IT等の分野で協力を実施している。

(2)主な質疑応答

  • 教育の普及により日本が達成したもの、日本が教育の普及に力を入れた理由:教育の普及により、国のトップに限らず幅広い国民が、国の発展に参加、貢献することができるようになった。また、明治維新以降日本は開国することになったが、欧米列強による植民地化から日本を守るために、教育を普及し近代化することにより西欧に伍していく必要があった。
  • 日本の教育と西洋の国々における教育の相違点:日本の教育の特徴は、児童の学力の向上だけでなく、精神面での教育や体力の向上にも力点を置いていること。西洋では主に教会で教わる道徳を日本は小学校で学ぶ。清掃活動や学級会・生徒会活動も重視され、教員もそれらの活動へのサポートを行い、これら活動を通じ、生徒はチームワーク、意思決定、勤勉等の能力を養う。日本のやり方が全ての国のニーズに合うとは限らず、現地化して採用していくことが重要。
  • 日本の技術教育:日本独特のシステムとしての高専は、実学的な内容で高い質の教育を行っており、ビジネスセクターを始めとして評価が高い。

(3)ハリス副学長代行からの総評


本日の講義により教育の目的を再認識する機会となったと総括した上で、「セントルシアにおける教育の目的とは、中等教育後の教育機会をすべての国民に提供することだけにあるのか」との点を問題提起。

セミナーの様子

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オーギス学長代行からの開会挨拶

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平山達夫日本国大使からの挨拶

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北岡理事長ビデオメッセージ

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萱島研究所顧問の講義

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ハリス副学長代行からのコメント

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殿川所長からの閉会挨拶