スリランカ「JICAチェア・日本スリランカ国交樹立70周年記念特別講義」を実施

掲載日:2022.02.25

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2022年2月25日(金)、ペラデニヤ大学との共催で、「JICAチェア・日本スリランカ国交樹立70周年記念特別講義」を開催しました。

JICAスリランカ事務所では、2021年9月より、スリランカ国内最大の総合大学の1つであるペラデニヤ大学と共催で、スリランカ初の「JICAチェア(JICA日本研究講座設立支援事業)」を実施し、日本の近代化の経験の共有を目的とした全8回の連続講義を実施してきました。この事業を締めくくるにあたり、本年2022年が日本とスリランカの国交樹立70周年記念であることから、在スリランカ日本大使のご協力も得て今回の特別講義が実施されました。

我が国は、サンフランシスコ講和会議後の1952年にスリランカとの国交樹立後、1954年の研修員受入に始まり、スリランカに対する経済協力(ODA)を継続的に行い同国の経済・社会の発展に貢献するとともに、友好的な二国間関係を享受してきました。本講義では、ODA供与を含む二国間関係を振り返るとともに、SDGs達成に向けて協働するパートナーとしての関係強化や協力のあり方について講義や議論が行われました。当日は、会場での参加とオンラインでの参加を合わせ約230人が参加し、学生の質問等をふまえ、活発な議論が行われました。

日本スリランカ国交樹立70周年記念特別講義の概要

(1)全体概要

1)開会の言葉(M.D.ラマワンサ ペラデニヤ大学副学長)

2)基調講演:両国の二国間関係の歴史と今後(水越英明在スリランカ日本国大使)

3)講義:我が国ODA概況紹介(山田哲也JICAスリランカ事務所長)

4)講義:「ケラニ河新橋建設事業(円借款)」(ダルシカ・ジャヤセケラスリランカ政府ハイウェー省道路局課長)
事業概要に加えて、質の高いインフラ整備、適切な環境社会配慮等、我が国ODA事業の特徴や事業を通して得た経験・知識について、先方政府の視点で説明

5)パネルディスカッション:SDGs達成に向けた日本とスリランカの協力

  • スラクシャナ・ジャヤワルダナSEA(持続可能エネルギー推進機構)局長
  • アシリ・カルナワルダナNBRO(国家建築研究所)局長
  • ハッテゲ・ドン・カルナラトネコロンボ大学経営学部教授/東京大学スリランカ事務所長
  • 山田哲也JICAスリランカ事務所長

6)修了書授与

7)学生からの講義にかかる発表

8)閉会の言葉

(2)パネルディスカッションの概要

スリランカのSDGsの達成と日本の協力に関し、再生可能エネルギー、防災、経済開発、教育といった観点から議論が行われた。パネリストからは、これまでの各分野での日本の支援によるスリランカの開発への貢献や感謝について発言するとともに、援助する側/される側としての関係だけでなく、例えば、災害頻発国としての共同研究による新たな知見の創造や、日本語人材の育成による労働者の創出など、Win-Winな二国間協力関係の在り方や、開発の触媒としてのODAへの期待が述べられた。

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ペラデニヤ大学副学長からの開会挨拶

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水越英明在スリランカ日本国大使からの基調講演

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山田哲也JICAスリランカ事務所長の講義

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講義の様子

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パネルディスカッションの様子

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学生からの講義にかかる発表

ペラデニヤ大学連続講義の概要

第1回(9月22日):明治維新:日本近代化の原点 モンテ・カセム国際教養大学理事長・学長
第2回(10月13日):戦後日本の政治外交 アーナンダ・クマーラ名城大学名誉教授
第3回(11月24日):「アジアと日本」から「アジアの中の日本」 ディリープ・チャンドララール沖縄大学名誉教授
第4回(12月23日):日本の近代化と教育 デ・シルバ・サーリヤ佐賀大学教授
第5回(1月12日):経済成長と日本的経営 ナワラゲ・クーレイ国際大学教授
第6回(1月26日):日本の発明と発見 ジェイ・ラジャセケラ東京国際大学副学長
第7回(2月9日):政党政治の盛衰 パスマシリ・ジャヤセーナ福岡女子大学教授
第8回(2月16日):日本の国際協力 ラタナーヤカ・ピヤダーサ佐賀大学名誉教授

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