2022年5月11日
会議名:国連砂漠化対処条約(UNCCD)COP15における砂漠化対処イニシアティブ(AI-CD)サイドイベント
開催日:2022年5月11日
共催:JICA、ケニア環境森林省、セネガル環境持続開発省
場所:コートジボワール共和国・アビジャン
サムソン・トニック(ケニア 国家環境信託基金 最高経営責任者/環境森林大臣代理)
バイディー・バー(セネガル 環境持続的開発省 水・森林・狩猟・土壌保全局長/環境持続的開発大臣代理)
小野寺誠一(JICA理事)
イッサ・ガルバ(サヘル干ばつ対策国家間常設委員会 農業牧畜専門家)
泉泰雄(AI-CD事務局)
カバ・ディアロ(マリ 環境・衛生・持続的開発省 水・森林局 砂漠化対処局長)、
ジョージ・ルイス・トコポロ・タドゥ(南スーダン 農業・食料安全保障省 シニアリサーチサイエンティスト)
ポール・オードゥラオゴ(サヘル干ばつ対策国家間常設委員会 副事務局長)
ババカール・ディア(AI-CD事務局)
「サヘル・アフリカの角 砂漠化対処による気候変動レジリエンス強化イニシアティブ(AI-CD)」は、2016年に開催されたアフリカ開発会議(TICAD6)にて、ケニア政府、セネガル政府、JICA及びUNCCD事務局の共催で発足したイニシアティブです。対象国はアフリカ15ヶ国で、各国の砂漠化対処に係る活動を促進することで、気候変動に対するレジリエンス強化に貢献することを目指しています。活動期間はTICAD 6(2016年)からTICAD 8(2022年)の6年間です。
UNCCD COPは2年ごとに開催され、AI-CDではこれまでUNCCD COP13、COP14にてサイドイベントを実施してきました。今回のサイドイベントのテーマは「強靭で豊かなアフリカに向けた砂漠化対処の現場での実践」で、各国における現場での実践経験や有用な知識、AI-CDの成果を共有した上で、砂漠化対処の取組みやパートナーシップをさらに発展させる方策を議論することを目的に開催されました。
本サイドイベントへは約65名が対面で参加しました。
まず、ケニア環境森林省およびセネガル環境持続開発省の代表者が挨拶を行い、強靭で豊かな社会を築く上で自然資源管理が重要であることや、AI-CD終了後もこれまでに培ったネットワークや経験を活用し、各国は取組みを継続する必要があることを述べました。
また、JICA小野寺理事からは、新型コロナや干ばつなどの困難が続く中、各国や開発パートナーとの協調・連携の重要性が増しており、JICAとしても質の高い成長と人間の安全保障というミッションの下、持続可能で強靭な社会づくりに今後も貢献していく、という旨の講演が行われました。
パネルディスカッションでは、南スーダン及びマリの登壇者がAI-CDを通じた取組みを紹介し、知識共有や資金アクセス、国内ワークショップ開催や研修等の成果を参加者に共有しました。またAI-CD事務局からは、日本企業の乾燥地での緑化及び農業技術を紹介し、アフリカでの砂漠化対処における官民連携の持つ可能性を提示しました。その後、現場の住民への技術・知識の伝達や資金動員といった課題への対応について議論がなされ、今後もアフリカの国々が主体的に砂漠対処に対応していく姿勢が示されました。
開会挨拶の様子
パネルディスカッションの様子
パネリストのディアロ氏がマリの現場での優れた取り組みを説明している様子