防災グローバル・プラットフォーム(Global Platform for Disaster Risk Reduction) 2022

掲載日:2022.05.28

イベント |

概要

会議名:防災グローバル・プラットフォーム(Global Platform for Disaster Risk Reduction) 2022
開催日:2022年5月23日(月)~2022年5月28日(土)
主催:国連防災機関(United Nations Office for Disaster Risk Reduction, UNDRR)・インドネシア国家防災庁(BNPB)
場所:インドネシア バリ Bali Nusa Dua Convention Center

背景・目的

5月23日から28日まで、インドネシアのバリで防災グローバル・プラットフォーム(Global Platform for Disaster Risk Reduction、以下「GPDRR」)2022が開催されました。GPDRRは仙台防災枠組2015-2030の実施促進及びモニタリングを目的に、国連防災機関(United Nations Office for Disaster Risk Reduction、以下「UNDRR」)が2年に一度開催する全世界を対象にした国際会議です(今後は3年に一度の開催に変更予定)。今回の会議には世界185カ国以上の政府関係者や学術、市民社会、民間セクターなど幅広い層からオンライン・対面参加合わせ約7,000名(対面参加約3,200名)以上が参加しました。日本からは大野内閣府副大臣はじめとする政府や援助関係者だけでなく、学術界や民間企業からも多くの関係者が参加しました。

今期会議テーマは"From Risk to Resilience: Towards Sustainable Development for All in a COVID-19 Transformed World"であり、JICAは様々なかたちで事前防災投資促進の重要性やJICAの協力について発信を行うとともに、インドネシア国家防災庁長官を始め防災主要国・ドナーの要人とも今後の協力の方向性について意見交換を行いました。気候変動影響はじめ多様な脅威が懸念される中、国際的な防災強化意識の高まりを感じる機会ともなりました。

内容

全世界から防災関係者が集まる国際会議は、日頃事業を実施しているカウンターパート機関と効率的に協議を行える場でもあります。JICAは5月24日、GPDRRに対面参加のJICA防災事業カウンターパート機関9カ国12機関(インドネシア、フィリピン、東ティモール、バングラデシュ、ネパール、パキスタン、モンゴル、トルコ、イラン)計約40名を招いてClosed Discussion Sessionを実施しました。冒頭、JICAの竹谷防災分野特別顧問より公共部門による事前防災投資の重要性について説明し、永見防災グループ長からは各国で重要となる取り組みとJICAの協力戦略について説明を行いました。これらを踏まえ、事前防災投資を促進する上での課題や各国の優良事例について、様々な機関から積極的な意見交換を行いました。

翌日5月25日には、内閣府・JICA共催公式サイドイベント"From DRR Strategies to DRR Investments - Keys to successful implementation of the Sendai Framework beyond the Global Target E-"を実施しました。大野内閣府副大臣による開会挨拶の後、名古屋大学減災連携研究センター西川教授による司会進行の下、インドネシア国家防災庁Raditya Jati次官、仙台市郡市長(オンライン)、東北大学災害科学国際研究所小野教授、UNDP Angelika国際防災チームリーダーによる基調講演が行われました。大野副大臣からは仙台防災枠組における2020年までのターゲットE(防災戦略策定)を経て、今後は防災戦略の質の向上と具体的な事前防災投資の拡大が重要であることを強調し、当該分野におけるJICAのこれまでの協力に言及しました。Jati次官からは防災計画策定及び事前防災投資に関する同国の取り組み紹介がありました。竹谷顧問からは、special interventionとして前日のセッションの結果に基づき、仙台防災枠組に基づく事前防災投資の重要性と公共部門の役割を強調しました。

その他、仙台防災枠組2015-2030が中間点を迎えるにあたり、国連総会で中間レビューの実施が決定されていることを踏まえて、本会議においても5月26日、27日に各国よりステートメントがなされました。JICAからは1)莫大な途上国の防災投資需要においても不可欠な公共投資の役割、2)前提として不可欠な科学的根拠に基づく個別ハザードの理解、3)事前防災投資推進に向けた国内及び国外ステークホルダー間の連携必要性について発言しました。中間レビュー報告は2023年5月の国連総会にて行われる予定です。

加えて、会期中は別会場のBali Collection内において、各ドナー機関や民間企業によるブース出展が行われ、JICAもトークショーの開催やブース出展を行い、JICA事業を紹介しました。25日にはインドネシアのジョコ大統領が来場し、JICAブースも訪問されました。

会議全体の議論としては、昨今の世界を取り巻く多様な情勢や脅威を踏まえ、マルチハザード対応、マルチセクター統合、社会全体の幅広い参画といったテーマや発言が多く聞かれました。これに対しJICAとしては、国・地域ごとの科学的なハザード理解を前提として、適切な防災戦略・計画に基づいて合理的・効果的に着実に事前防災投資(Hazard Exposure Reduction)を実現することが不可欠であるというメッセージを、JICAの防災復興グローバル・アジェンダにも基づいて発信し続けました。

今年はさらに、9月にオーストラリア・ブリスベンで「アジア大洋州防災閣僚級会議(Asia-Pacific Ministerial Conference on Disaster Risk Reduction:APMCDRR)」の開催が発表されています。JICAは、APMCDRRでも引き続き国際場裡での発信を強化していきます。

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JICA主催非公式イベントClosed Discussion Session

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内閣府JICA共催公式サイドイベント

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Bali Collectionにおける発表

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Bali CollectionにおけるJICAブース出展 ジョコ大統領訪問の様子

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仙台防災枠組の中間レビュープレナリーでのステートメント発表の様子