JICAバングラデシュ協力50年と今後の展望

掲載日:2022.06.10

イベント |

概要

会議名:JICAバングラデシュ協力50年と今後の展望
開催日:2022年6月10日(金)
主催:在東京バングラデシュ大使館
場所:東京 ボンゴボンドゥ・オーディトリアム(在東京バングラデシュ大使館)

主な参加者

祝賀ご挨拶

ファティマ・ヤスミン(ビデオ、ERD次官)
秋山麻里(外務省国際協力局 国別開発協力第二課)

基調講演

山田順一(JICA副理事長)

パネルディスカッション

渡辺正人(日本バングラデシュ協会会長 元在バングラデシュ全権特命大使)
佐竹右行(グラミン・ユーグレナ 代表取締役社長)
大橋正明(恵泉女学園大学名誉教授)
ナシール・エルシャド(駐日バングラデシュ経済公使)
伊藤晃之(JICA南アジア部長)

閉会ご挨拶

シャハブッディン・アーメド(駐日バングラデシュ大使)

背景・目的

1971年にバングラデシュが独立し、翌1972年2月10日、日本は最初にバングラデシュと外交関係を樹立した国の一つとなりました。その50周年を記念し、今年2月には、ダッカと東京で盛大な祝賀会が開催されました。バングラデシュとJICAの協力関係は、1973年の青年海外協力大派遣から始まりました。この節目の年に、駐日バングラデシュ大使館主催にてこれまでのJICAとの協力関係を振り返り、今後の更なる協力関係強化の展望についてセミナーを開催しました。

内容

ファティマ・ヤスミンERD次官及び、秋山外務省国際協力局国別開発協力第二課課長祝賀メッセージの後、JICAバングラデシュ協力50年記念動画を上映。山田JICA副理事長の基調講演「JICAとバングラデシュ協力50年と今後の展望」、社団法人、民間企業、大学等、様々な立場から「JICAへの期待」と伊藤JICA南アジア部長によるレスポンスがなされました。

JICAとバングラデシュ協力50年と今後の展望:

1.バングラデシュ独立から今日までの発展

バングラデシュの発展は国父であるムジブル・ラーマン氏が、すべての人に経済・社会的公正を保障する「ソナー・バングラ」(黄金のベンガル)を夢見たことに始まりました。独立時のバングラデシュの一人当たりの国民所得は100ドル強に過ぎず、世界の中で最も貧しい国のひとつでした。2026年にはLDCからの卒業、2041年には先進国入りを目指すバングラデシュの50年間の発展は世界的にも大きな成功と言えます。

2.バングラデシュの発展とJICAの協力

バングラデシュは協力総額としては、技術協力約1,000億円、無償資金協力約1,400億円、円借款は約2.7兆円に達し、円借款の最大供与先の一つとなっています。バングラデシュが自らの力により目覚ましい発展を遂げ、人々の生活を劇的に変化させた要因は、1)インフラ整備、2)災害への対策、3)教育・保健等の人間開発が挙げられます。JICAは河川により分断された国家の連結性向上に資する橋梁、都市部の交通事情改善に資するMRT、安定した電力供給、災害に強靭な国家づくりのための予警報能力強化、教育施策改訂・実施能力向上や母子保健サービス改善に協力してきました。

3.転機を迎えるバングラデシュとJICAの協力

今後、先進国入りを目指すバングラデシュは新たな段階に入っています。貿易上の最恵国待遇や関税措置廃止に伴う国際競争力の強化、産業の多角化、気候変動への適応や、国内格差や環境問題への取り組みを強化する必要があります。

バングラデシュの持続的成長には日本政府、民間企業、NGO、大学と様々な立場からの強力が必要です。JICAは様々なアクターを「繋ぐ」役割を担うことが可能です。民間連携事業等による中小企業のバングラデシュ進出支援や、NGOや市民社会の活動と途上国政府の安定した政権運営両立に向けた開発パートナーとしての目配せ、幅広いステークホルダー、アクターの方々との包摂系inclusiveな協力・協働を進め、バングラデシュと共に持続的な発展をして参ります。

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山田副理事長による基調講演

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伊藤部長パネルディスカッション登壇

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エルシャド公使パネルディスカッション登壇

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パネルディスカッションの様子

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シャハブッディン・アーメッド大使閉会ご挨拶