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京都大学高橋基樹教授による第3回「JICAチェア」講義をマダガスカルで実施

掲載日:2022.08.17

イベント |

JICAは、日本の近代化・開発の経験を発展途上国に共有する「JICAチェア」(日本研究講座設立支援事業)をこれまで世界56ヵ国で実施してきました。

マダガスカルでは第3回目の講義として、8月17日に京都大学高橋基樹教授をお招きし、共催者であるアンタナナリボ大学の教員や学生、ほか招待客ら計約130名を相手に「日本の開発経験と先人たちの知識の尊重」をテーマに対面講義を実施しました。

午前は大学院生30名、午後は教員や学生約100名に向けた講義を行い、活発な質疑応答・ディスカッションが行われました。参加者からは日本の近代化を促した要因、教育開発、農業振興策等、イベント終了時間を超えるまで質問が寄せられるなど、盛況のうちに終了しました。

講義・質疑応答の概要

講演では、明治維新前後の日本の教育システムの特徴として、19世紀中頃には支配階級である武士だけでなく、特に上層の農民に対しても教育が施されており、明治維新以後も兵士育成を目的に近代的な教育システムが導入されたことが紹介されました。また、明治維新以降、学問において急速な西洋化が進んだ一方で、稲作などにおいては、コメを主食とする日本の知見が優れていることが意識され、日本の経験豊富な農民が教授として採用されたこと、また、こうした人材の活躍により、西洋の科学理論と日本の経験が掛け合わされて農業近代化が進められ、既に基礎教育を受けた農家たちによって実践されてきたことが紹介されました。

参加者からは、日本で明治維新のような社会の変革が起きた要因、日本の教育システムの設立の経緯、植民地化による影響、マダガスカルの農業振興策、農業分野以外の変革の事例等に関する質問が多数寄せられました。高橋教授は、国の指導層と国民が同じ目標を共有して開発を進めていくために、マダガスカルの将来を担う学生たちに対し、よく学び、考えを深めていってほしいと熱く語りかけられました。

アンタナナリボ大学における連続講義の概要

第1回講義(2022年3月3日)
テーマ:「明治維新:日本近代化の原点」
講師:北岡伸一JICA理事長(当時)

第2回講義(2022年4月28日)
テーマ:「日本の近代化と教育」
講師:萱島信子JICA緒方貞子研究所顧問

特別対面講義(2022年5月25日)
「日本の近代化から学ぶ:北岡顧問とのディスカッション」

第3回講義(2022年8月17日)
テーマ:「日本の開発経験と先人たちの知識の尊重」
講師:高橋基樹京都大学教授

特別対面講義(2022年8月26日)
テーマ:「日本の近代化と教育」
講師:萱島信子JICA緒方貞子研究所顧問

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