2022年9月14日
会議名:【JICA北陸創立30周年記念】-駐日ラオス大使をお招きして-ラオスと北陸の新たな関係に向けた講演/交流会
開催日:2022年9月14日(水) 15:00~17:00
主催:JICA北陸、ジェトロ金沢
場所:石川県国際交流センター(石川県金沢市)
民間企業、大学、NPO、専門家・協力隊経験者や派遣予定者、メディア関係者など約50名
2021年4月に駐日ラオス大使に着任されたフォンサムット大使は、ラオスの魅力を発信するとともに、ラオスと関わりがある団体との友好関係・信頼関係の深化を目指して、日本各地を廻り講演会等を行っています。
今回は、駐日ラオス大使館との協議のもと、JICA北陸創立30周年記念イベントとして、フォンサムット駐日ラオス大使を石川県にお招きし、ジェトロ金沢との共催で講演/交流会を開催したものです。
ラオスの政治経済や文化とともに、投資、観光におけるラオスの魅力が紹介されました。また、ラオスが世界で初めて青年海外協力隊が派遣された国であることや1991年から日本がトップドナーであることなど、長年の日本とラオスの深い友好関係も紹介され、今後に向けて、北陸企業からの投資を含め、北陸との関係を強化していきたいとの強い期待が述べられました。
ラオスの経済・貿易の概況、進出日系企業の状況、ビジネスを行う際のメリットとリスクなどについて説明があり、ラオスでのビジネスを成功させるためには、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」各々の観点による事前の分析が重要であることが強調されました。
北陸地域において、ラオスへの協力やビジネス・技能実習生受入に関わられている団体関係者が登壇し、ラオスと北陸の今までのつながりについて振り返るとともに、これからの新しい関係に向けた事例紹介や提案が発表されました。
まず司会より、1960年代に石川県から初めて派遣された青年海外協力隊がラオスであったことを紹介し、長年の協力隊の活動が両国の信頼関係を築いてきたことを説明しました。続けて、協力隊として2000年代前半にシェンクワン県で活動した井川文男氏(富山県出身)から、20年前当時のラオス地方部の状況や、協力隊がラオスの人々に溶け込み同じ目線で活動を行った活動内容や意義が発表されました。また、ラオスの幼児教育支援を行ってきた小松東ロータリークラブ(石川県)からも、約15年にわたる取り組みが紹介されました。
ラオスと北陸の新しい関係に向けては、西野工務店(福井県)久池定光社長から、国際協力から始まりビジネスや実習生受入へ展開してきた同社の取り組みが紹介されました。今後は介護人材受入により福井県が抱える課題の解決にもつなげていく予定とのことです。また、NPO法人「Support for Woman’s Happiness(SWH)」石原ゆり奈代表理事からは、新しい国際協力と福祉の形として、ラオスと地方の福祉施設協働による国境を越えた製品作りの取り組みが紹介されました。さらにJICA東南アジア・大洋州部からは、新たな地方のアクターとの協力として、高山とルアンパバーンの世界遺産保全分野の協力、香川とシェンクワンの帰国技能実習生を通じた協力が紹介され、民間連携事業部からは、新しい連携の形として民間企業と協力隊連携の試みが実例とともに紹介されました。
以上の発表を踏まえ、最後に司会を務めたJICA北陸センター所長の米山より、これからの新しい協力・交流の形として、「政府間による援助だけでなく、日本の地方とラオスをつないだWIN-WINの協力関係を、様々な地域のアクター間の連携・協働により創造していくことを期待したい」として、まとめを行いました。
参加者へのアンケートでは、今まで馴染みが薄かったラオスについて印象が大きく変わった、現地へ行き具体的な活動を行いたいとの気持ちが高まった、などの感想が寄せられました。
講演会の模様
講演するフォンサムット大使
会場内に展示された布製品等
フォンサムット大使(JICA北陸にて)