田中理事長がベトナム・日越大学でJICAチェア特別講義を実施

掲載日:2023.03.08

イベント |

概要

日時:2023年3月7日(火)14:30~15:50(講義45分。質疑応答含む。)
会場:日越大学ミーディンキャンパス
形態:対面及びオンライン配信のハイブリッド形式
言語:英語(英越同時通訳あり)
参加者:日越大学学生(学部日本学プログラムが主)及び教職員59名
日本研究に関心のある大学/研究機関の学生及び教職員14名(外交学院、ベトナム社会科学院、ハノイ人文社会大学等)
タイトル:The World and Japan:Post-Cold War Era

背景・目的

3月5日~8日にベトナムを訪問した田中理事長は、7日にハノイの日越大学でJICAチェア特別講義を実施しました。日越大学は、日本及びベトナムだけでなく、世界に開かれた大学としてグローバルに活躍できる人材を輩出するとのビジョンのもと、JICAの協力により2016年に開学しました。これまでに修士課程8プログラム、学士課程4プログラムを開設しており、特に学部日本学プログラムは人気を集めています。親日派・知日派育成の拠点という役割も担う日越大学において、日本の開発経験を共有する機会として、今般の特別講義が実施されました。

内容

講義では、冷戦後の日本の経済・政治・安全保障等について、定量的なデータを示しながら見解を述べました。また、ODAについては、ベトナムにおいて日本がトップドナーであることや、現在JICAが重点的に取組んでいるウクライナ支援の概要を紹介しました。
質疑応答では、参加者から1)日本の移民政策、2)人間の安全保障等に関する多くの質問がなされました。うち1)については、理事長自身が「技能自習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」の座長を務めていることに触れつつ、日本政府として真剣に外国人材の受入や共生社会の構築に取組んでいることを説明しました。また2)については、複合的危機によって人間の安全保障が危機にさらされる状況下で、JICAは相手国と深い議論を行った上で役割を果たしていく旨言及しました。また教育が果たしうる役割、とりわけ日越大学のような高等教育機関の重要性を強調しました。
JICAチェア特別講義に引続き、講義を聴講した修士学生4名(グローバル・リーダーシップ3名、地域研究日本専攻1名)との意見交換も行いました。「変化や課題の多い世界情勢においてどのようなマインドセットを大切にしているか」という学生からの質問に対し、理事長は「喫緊のニーズに対応することも大切だが、JICAはより長期的な視点で有効な協力を目指すことに大切にしている」と応答した他、学生に対して卒業後の希望進路を尋ねたり、励ましたりする場面もあり、非常に温かく有意義な意見交換となりました。
JICAは、今後もJICAチェアを通じ、日越大学含むベトナム国内の日本研究拠点と連携し、さらなる日本研究の裾野拡大を目指します。

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特別講義の様子1

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特別講義の様子2

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修士学生との意見交換

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特別講義終了後の集合写真