モンゴルJICAチェア:日本の発展の経験について、産業発展と社会保障をテーマに特別講演を実施しました
掲載日:2023.06.30
イベント |
開催日:2023年5月15日(月)
場所:モンゴル国立大学
主な参加者:国立大学デンデヴ・バダルチ学長、小林弘之在モンゴル日本大使、田中伸一JICAモンゴル事務所長、モンゴル国立大学大学生など約100名
開催日:2023年5月29日(月)
場所:モンゴル国立大学
主な参加者:国立大学デンデヴ・バダルチ学長、菊間茂在モンゴル日本参事官、田中伸一JICAモンゴル事務所長、モンゴル国立大学大学生など約50名
モンゴルにおけるJICAチェアとして、モンゴル国立大学(以下「国立大学」)において、5月15日に舟橋學氏(国際大学准教授・JICA国際協力専門員)が「日本の産業発展と日本的経営」、同29日に中村信太郎氏(JICA国際協力専門員)が「社会・経済の変遷と社会保障:日本の経験が示唆していること」というテーマで、それぞれ講演を実施しました。講演には、国立大学デンデヴ・バダルチ学長、小林弘之在モンゴル日本大使、田中伸一JICAモンゴル事務所長をはじめ、国立大学の学生・教員等、合計約150名が参加し、大盛況となりました。
モンゴルにおけるJICAチェアはこれまで、国立大学に対して、2021年12月~2022年5月に計5回の講座を実施、また2022年11月1日には、モンゴル事務所設立25周年の式典出席のため来訪した田中明彦理事長による特別講義「冷戦後の日本について」を実施してきています。現在、同大学とは、JICAチェアを2023年9月以降に単位認定した講座として継続する方向で協議を進めています。今回の講演は単位認定化を前に、同大学内のJICAチェアの認知度の向上や、モンゴルの発展を担う若者の日本の発展経験への関心を高めることを目的に実施しました。
会場内の様子
デンデヴ・バダルチ学長挨拶
両講師による講演の様子は以下の通りです。
舟橋學国際大学准教授の講演
民間セクター開発分野の国際協力専門員としてもご活躍されている、国際大学の舟橋學准教授を講師に迎え、日本の産業が持つ国際競争力やそれらが世界で発展してきた要因について、日本的経営の特徴の観点から講演をいただきました。競争力を生み出す要因の一つとして「情報シェアリング」の重要性を指摘し、「産業の多角化を推進するモンゴルにおいても、モンゴルの組織運営の在り方は残しつつ、情報シェアリングを行い、様々な専門性やアイデアを融合させながら今後のモンゴルの産業を発展させてほしい」との力強いメッセージが学生へ伝えられました。
中村信太郎専門員はJICA国際協力専門員として社会保障分野でご活躍されており、今回の講演では高齢化が進む日本における社会保障分野での経験を日本の社会や経済の移り変わりと重ねつつ説明をいただきました。講演は対話形式で進められ、ライフステージに応じた社会保障制度の課題や、年金、医療保険、介護、今後の社会保障のあり方等に関する質問や活発な意見交換が行われました。中村信太郎専門員は社会保障における「対話」の重要性を強調しつつ、「社会保障のあり方や課題について、対話をすることで各自が自分事として捉えられるようになる。対話を通じて課題解決を目指す必要がある。」と述べられました。
講演では参加学生から多くの質問が寄せられ、モンゴルの将来や社会課題を自分事として捉える学生たちの積極的な姿勢が印象的でした。進行役を務めたスヘー・バトトルガ教授は、閉会の挨拶で「日本の経験や専門家から学ぶ良い機会であり、モンゴルへの大いなる貢献となるため今後も積極的に参加してほしい。」と参加学生に呼びかけました。今後もモンゴルと日本の学び合いの機会として本連続講座が貢献していくことを期待すると同時に、JICAチェアの積極的な取り組みを続けてまいります。
中村信太郎JICA国際協力専門員の講演
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