セミナー開催報告:「アフリカスタートアップエコシステムの最前線 世界が注目するアフリカのポテンシャル」セミナー開催!(7月4日 in 京都)」

掲載日:2023.07.12

イベント |

概要

会議名:アフリカスタートアップエコシステムの最前線 世界が注目するアフリカのポテンシャル
開催日: 2023年7月4日(火)17:00 ~ 19:45
主催:独立行政法人国際協力機構、一般社団法人京都知恵産業創造の森
場所:京都市

主な参加者

挨拶
ヤクブ ムサ ヤクブ 氏(ナイジェリア国立デジタル・イノベーション機関 長官)

講演
アーマド・バツーレ 氏(ナイジェリア国立デジタル・イノベーション機関 スタートアップエコシステム・起業家支援担当)
坪井 彩氏(株式会社Sunda Technology Global 代表取締役)

パネルディスカッション
アーマド・バツーレ氏 (ナイジェリア国立デジタル・イノベーション機関 スタートアップエコシステム・起業家支援担当)
中野 晃太氏(三菱商事株式会社 電力ソリューショングループ ユーティリティーリテイル本部 戦略・企画室 次長)
山内 理希氏(Riviera Partners, Founder)
モデレーター:不破 直伸氏(独立行政法人 国際協力機構 ナイジェリア国 スタートアップエコシステム専門家)

背景・目的

最後の成長大陸、アフリカ。現地の社会課題の解決を目指す若者を中心に多くのスタートアップが生まれており、欧米を中心に世界からの投資も拡大しています。
アフリカ最大のスタートアップエコシステムを誇るナイジェリアから有識者を招き、アフリカのテックマーケットについて議論するセミナーを開催しました。

内容

1.講演

バツーレ氏は、ナイジェリアのスタートアップエコシステムの現状として、投資件数や金額の伸び、フィンテックやE-コマース分野での起業が多く、現在約3,000社が活発であることを説明。また、インフラ開発の進展や、人口二億人を抱える市場の成長性、スタートアップ支援のための政策実施など、今後も有望である点が強調されました。

坪井氏からは、ウガンダにおいて、「人」に依存しない自動化された水料金回収のしくみ「SUNDA」を活用した事業についてお話頂きました。新しい井戸維持管理の仕組みを通じて、現金ではなくモバイルマネーによる支払いと管理が可能となり、回収金管理の安全性も向上したこと、また利用料に応じた課金により、公平性も高まり、住民も安心して支払えるようになった点が説明されました。

2.パネルディスカッション

山内氏からは、アフリカをどう見るかは分岐点にあり、多くの日系企業が以前よりもより前向きな姿勢になっていることが共有されました。他方、アフリカについて解像度を上げ、ビジネスを行う上でのリスクを理解する必要があり、現地情報の共有を行うようなインナーサークルに入っていく必要がある点が指摘されました。アフリカの優良企業は、長期的に投資してくれる戦略的パートナーを求めており、日本企業がその役割を果たせるとの期待が寄せられました。

中野氏からは、太陽光発電や蓄電池を組み合わせた「分散型電源」をアフリカを中心に手掛けるBBOXXに三菱商事が出資、ビーボックスは今後、電力供給のほか、ガス、金融といった生活に密着したサービスにも参入することが、同社の強みであることが説明されました。また同社の出資がSDGsへの貢献になる点を重要視している点が共有されました。

バツーレ氏からは5月末に就任した新大統領は、就任早々、ガソリン補助金の廃止や外国為替レートの単一化に向けた経済改革に着手し、石油の精製も半年後に再稼働する計画であることを紹介しました。

最後に、今後、ナイジェリア、南アフリカ、ケニアや市場規模は小さいがデジタル分野で強みがあるルワンダなどが有力な市場となる可能性があることが議論され、セミナーは終了しました。

続くネットワーキングでは、約50名の参加者がアフリカへのビジネス展開の可能性や関心について意見交換、会場は熱気に溢れ、アフリカに対する関心の高さを感じさせました。

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