田中理事長がスリランカ コロンボ大学でJICAチェア特別講義を実施
掲載日:2024.03.05
イベント |
●日時:2024年2月16日(金)10:00~12:30(講義60分)
●会場:コロンボ大学
●形態:対面及びオンライン配信のハイブリッド形式
●言語:英語
●参加者:コロンボ大学学生約100名(経済学部、経済・ビジネス学部、国際ビジネス学部の学部生3-4年生)及び教職員20名程度
●タイトル:複合危機下の国際関係
●2月13日から16日までスリランカを訪問した田中理事長は、16日にコロンボ大学でJICAチェア(JICA日本研究講座設立支援事業)特別講義を実施しました。JICAチェアは、開発途上国で将来のリーダーとなる人材を育成すべく、各国のトップクラスの大学等を対象に、日本の開発経験をその歴史や文化背景を踏まえて学ぶ「日本研究」の講座設立支援を行うプログラムです。日本の講師を現地に派遣し、自国の伝統とアイデンティティを維持しながら非西洋から近代化を成し遂げた最初の国である日本の経験にかかる講義を実施するなど、様々な活動を行っています。
詳細はこちら:概要 | 事業について - JICA
●コロンボ大学は、セイロン大学コロンボ・キャンパス(1942年設立)を前身とする国立大学であり、10の学部と各分野の研究機関を有する国内最高峰大学の1つです。過去にはJICAも技術協力や無償資金協力による支援を実施しています。
●コロンボ大学では2022年度よりJICAチェアを開始していますが、スリランカでは、日本で修士号・博士号を取得する学生や日本研究に関心のある学生が多いため、毎回多くの学生が参加しています。2023年度は、日本の経済成長を軸に、日本式経営や人材育成、農業、競争政策の発展といった講義を計5回実施し、修了式を兼ねて、今回の田中理事長による特別講義が行われました。
●スリランカは2022年に、独立以来最も深刻な経済危機に陥り、IMFプログラム等に従って経済改革を進めることが求められています。スリランカは中東・アフリカと東アジアを結ぶシーレーン上の要衝にあります。スリランカが、経済改革を通して経済安定化と成長を実現させ、また、各国との関係を強化することは、インド太平洋地域の安定にも繋がります。今般の特別講義は、こうした背景を踏まえ、複合的危機に晒される現代社会において日本がどのように国際関係を形成・維持してきたのかを共有し、次世代を担う若者がスリランカを取り巻く国際関係について考えを深める契機とすることを目的として実施しました。
●田中理事長の特別講義では、今日の社会では、気候変動、新型コロナウイルス感染拡大といった地球規模課題が国際社会に大きな影響を及ぼす中で、ロシアのウクライナ侵攻などの地政学的危機が重なって複合的に関係しあうことで問題の解決がより困難になっているという現状認識が示され、そうした危機に立ち向かうために国際秩序の維持と相互協力が求められていると強調されました。加えて、日本が「自由で開かれたインド太平洋」を通して複合的危機下においても他国との関係構築と国際秩序の維持に取り組んでいることに触れ、インド太平洋地域の要衝に位置するスリランカが今後ますます重要な役割を担うだろうと述べました。
●講義の後には、JICAチェア参加学生の代表3名によるパネルディスカッションが実施され、2023年度のJICAチェアを振り返りました。学生からは、「日本の近代化経験を踏まえて、現在の複雑な国際情勢におけるスリランカの立ち位置と今後の経済復興の在り方を考えるよい契機となった」「スリランカの将来を担う世代としてJICAチェアでの学びを存分に活用したい」といった前向きな声が寄せられました。
講義の様子①
講義の様子②
学生によるパネルディスカッションの様子
JICAチェア修了証授与の様子
集合写真
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