第63回海外日系人大会に約500名が参加、新世代の力で飛躍するニッケイ社会へ!

掲載日:2023.11.07

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2023年10月16日(月)~18日(水)の日程で、「第63回海外日系人大会」がJICA緒方研究所にて開催されました(主催:(公財)海外日系人協会、後援:JICA等)。今年のテーマは「飛躍するニッケイ社会へ-期待される新世代のイニシアティブ」。日系社会がさらに飛躍するために、日系の方も日系以外の方も同じ仲間として活躍する場を広げるため、「日系社会」を漢字ではなくカタカナで「ニッケイ社会」と表されています。

初日の開会式には秋篠宮皇嗣殿下妃殿下がご出席され、17カ国181名が会場で、333名がオンラインで参加し、4年ぶりの対面実施となる日本での開催を祝いました。

JICA田中理事長は、「日本と日系社会の新たなつながりによる持続的な『共創社会』」と題した基調講演を行いました。講演では、日本人・日系社会の価値を再確認して次世代へ継承し、次世代日系人が新たな取組みを進めるとともに、日本と移住先国との架け橋人材として多文化共生に貢献する可能性や、持続的な日系社会の実現のために、次世代を育み、日系・非日系を問わず多様で重層的なつながりを作ることで 、多様な人材が様々な知と資源を結集させ、切磋琢磨して新たな価値を共に創る「共創社会」を目指すことの重要性を述べました。
そして、本大会の大会宣言にはニッケイ社会が「共生・共創」のモデルであることが盛り込まれました。

10月18日(水)午後は、JICA・外務省・日本財団による招聘者や留学生を対象とした「日系ユース交流会」がJICA本部で開催されました。海外日系人大会への参加を終えた76名が集まり、持続的な日系社会のあり方や次世代に期待される役割について活発なグループ討議を行いました。日本に定住する日系人に焦点を当てて、子どもたちの教育やメンタルヘルス、高齢化問題などについて話し合ったグループもあれば、日系社会を盛り上げるために漫画やアニメ、書道や着付けなど日本文化を通した交流、SNSを活用して日系・非日系を問わず活発な関わりを作ることなどを話し合ったグループまで、幅広いテーマが議論されました。
ポルトガル語やスペイン語、日本語、英語を交えてのマルチリンガルな討議で盛り上がった日系ユースたちは、「今後も是非こういった機会を設けて欲しい」と様々なプログラムで来日する留学生・研修員同士の交流促進に期待の声を寄せてくれました。
また、JICA日系社会リーダー育成事業(注)による留学生と、彼らの専門分野における事業を担当するJICA関係部署の職員をつなぐ交流セッションも行い、JICAの分野課題における知見が日系人留学生たちと共有されました。

(注)JICA日系社会リーダー育成事業
JICAが行う日系人向けの大学院留学支援事業。2000年から現在までに中南米の11ヵ国241名が来日、本大会開催時は6ヵ国(アルゼンチン、コロンビア、パラグアイ、ブラジル、ペルー、ボリビア)の30名が就学中。

JICA田中理事長による基調講演はオンラインでも配信

JICA田中理事長による基調講演はオンラインでも配信

講演で日系社会次世代育成研修の様子を紹介

講演で日系社会次世代育成研修の様子を紹介

「日系ユース交流会」会場の様子(JICA本部)

「日系ユース交流会」会場の様子(JICA本部)

JICA日系社会リーダー育成事業の日系ブラジル人留学生(琉球大学大学院)

JICA日系社会リーダー育成事業の日系ブラジル人留学生(琉球大学大学院)

活発な意見交換をする建築・土木・理系グループ

活発な意見交換をする建築・土木・理系グループ

JICA・外務省・日本財団による次世代・若手日系人が集まった「日系ユース交流会」

JICA・外務省・日本財団による次世代・若手日系人が集まった「日系ユース交流会」