サイバーセキュリティ・リスク管理に関する日米比連携セミナーを開催しました
掲載日:2024.08.08
イベント |
セミナー名:サイバーセキュリティ・リスク管理に関する日米比連携セミナー
案件名:フィリピン国「サイバーセキュリティ能力開発」(個別専門家派遣)
開催日:2024年7月16日(火)~18日(木)(3日間)
主催:フィリピン情報通信技術省(DICT)、JICA、米国国際開発庁(USAID)
場所:フィリピン・マニラ
フィリピン国「サイバーセキュリティ能力開発」は同国のサイバーセキュリティ体制を強化するため2023年から実施されています。2024年4月にワシントンで開催された日米比首脳会合にて確認されたサイバー分野での三か国連携・協働に関連した初の具体的な取組みとして、フィリピンの情報通信技術省(DICT: Department of Information and Communications Technology)、JICAおよび米国国際開発庁(USAID)は、サイバーセキュリティ・リスク管理に関する3日間のセミナーを共同で実施しました。
サイバー攻撃の攻撃対象が多角化し、手法も高度化・複雑化する中、フィリピンは国際電気通信連合(ITU)のGlobal Cybersecurity Index(2020年)で194か国中61位(ASEAN 主要国内では6位)に位置するなど、 サイバーセキュリティ対策において様々な課題に直面しています。JICAは、政府機関や運輸・エネルギー・水・金融等の重要インフラ事業者の体制・技術力強化、民間企業や個人の普及啓発活動の強化に協力するため2023年10月からフィリピン情報通信技術省への技術協力を実施しています。
今回、同じくフィリピンにおいてサイバーセキュリティを含む分野で活動するUSAIDのBEACON (Better Access and Connectivity)プロジェクトと連携し、日米比共同開催としてサイバーセキュリティ・リスク管理に関するセミナーを実施しました。本セミナーは3日間(7月16日~18日)行われ、研修員はサイバーセキュリティ・リスクの全体像、リスク緩和と管理の方法、対処方法等について学びました。本セミナーの中でJICA専門家からサイバー攻撃の予防策や実際に攻撃を受けた際の初動、被害を最小限に食い止める対策等が紹介され、BEACONプロジェクトから米国国立標準技術研究所(NIST: National Institute of Standards and Technology)が提供するリスクマネジメントのフレームワーク活用方法が紹介されました。
本セミナーにはフィリピンの情報通信技術省に加えて最高裁判所や大統領府、財務省、貿易産業省、運輸省、エネルギー省、中央銀行、国家電気通信委員会、社会保障制度機関、マニラ首都圏上下水道庁、国家水資源委員会、運輸安全室、沿岸警備隊等からサイバーセキュリティ分野を担当する職員を中心に約80名が参加し、参加者同士や講師、オンラインで日本の有識者も交えて実務経験をもとに議論を重ね、これからの業務への活用方法を検討する場となりました。
本セミナーで得られた知識やスキルが、フィリピンのサイバーセキュリティ人材の能力強化に繋がると共に、日米比三か国間での連携強化に貢献し、ひいてはアジア・太平洋地域の全体の安心・安全なサイバー空間の構築に貢献することが期待されます。
左からUSAIDユーバンクス所長代行、JICAフィリピン事務所坂本所長、DICTヴァリリャ次官補、在フィリピン日本国大使館二瓶経済公使(開会式)
情報通信技術省による国家サイバーセキュリティ戦略の説明(開会式)
研修会場(1日目)
JICA専門家による講義(1日目)
BEACONプロジェクト(USAID)によるリスクマネジメントフレームワークの説明(2日目)
参加者との集合写真(3日目)
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