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アフリカ11か国の政府高官対象の「リーダーシップ研修(エグゼクティブ・プログラム)」を実施しました

掲載日:2025.02.03

イベント |

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概要

プログラム名:「アフリカ高官向けリーダーシップ研修(エグゼクティブ・プログラム)」
開催日:2025年1月27日~2月3日
実施機関:国際協力機構 (JICA)、国際大学(IUJ)
場所:IUJ東京事務所、JICA麹町本部等

主な参加者

参加者

カメルーン、ガーナ、ケニア、マダガスカル、モロッコ、ナミビア、ナイジェリア、シエラレオネ、スーダン、ウガンダ、ザンビアからの政府高官11名

講師

  • 開会挨拶:梁瀬直樹JICAアフリカ部長
  • JICAの対アフリカ協力:峰直樹JICAアフリカ部企画役
  • 日本とアフリカ:加藤宏IUJ副学長
  • 現場の重要性:伊丹敬之前IUJ学長(現一橋大学名誉教授)
  • PPPと経済開発:橘川武郎IUJ学長
  • エビデンスに基づく政策立案:陣内悠介IUJ教授
  • 効果的な政策実施とリーダーシップ:中村絢子IUJ教授
  • リーダーシップと政策デザイン:LIM, Seunghoo IUJ教授
  • リーダーシップと動機マネジメント:鄭智媛IUJ教授
  • 経団連との対話:和田照子国際経済本部長、野村良寿国際協力本部統括主幹
  • デザインアプローチ・ワークショップ:株式会社レア
  • 日本とアフリカの関係(現状と今後の展望そして未来への展望):堀内俊彦外務省アフリカ部長
  • 閉会挨拶:安藤直樹JICA理事

視察先

  • 産業遺産情報センター訪問(加藤宏副IUJ学長案内)
  • Impact HUB Tokyo訪問(舟橋學IUJ教授案内)
  • 京都大学訪問(高橋基樹京都大学教授との意見交換)

背景・目的

複合的危機下の世界においては、多様な分野の専門家の考えを理解する能力を持ちつつ、専門性の深化により生じる分野の壁や溝に橋を架けて束ねる能力が必要になります。また、大局的に判断する能力を持ち、国の将来を見据え、国際社会と対話し、行政組織を率先するスキルが求められます。

JICAは、途上国の行政官を対象に様々な技術研修を実施してきており、今では、特定のスキルを得て現在は政府高官として活躍する元研修員が多く存在します。他方、上述のとおり、行政組織を率先してさらに活躍するためには、リーダーシップに特化した研修が必要とされています。

この背景のもと、JICAは、アフリカ各国の政府高官を日本に招き、初めての取組みとなる「アフリカ高官向けリーダーシップ研修(エグゼクティブ・プログラム)」を実施しました。本研修は、JICAが進める開発大学院連携のフォローアップでもあり、また知日派・親日派の育成にも貢献します。

本研修は、以下3つの目的に基づいて実施されました。

内容

1.開会挨拶・オリエンテーション

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梁瀬JICAアフリカ部長

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峰JICAアフリカ部企画役

研修初日、梁瀬直樹JICAアフリカ部長は、歓迎および参加への感謝を述べた後、本研修の3つの目的と、この研修がJICAとして初めての取組みであることを強調し、参加者には、今後アフリカ各国と日本の関係が深まるための架け橋となってほしいとの旨を伝えました。

開会挨拶後、JICAの対アフリカ協力について、峰直樹JICAアフリカ部企画役が登壇しました。参加者からは、説明内容について多くの質問が出されたほか、自国へのJICAの協力についての様々な意見が交わされました。

2.講義

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講義の様子

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プログラムの半分は、橘川武郎IUJ学長や加藤宏IUJ副学長をはじめとした国際大学の教授陣による、リーダーシップ論、日本の開発経験、官民連携等についての講義や、堀内俊彦外務省アフリカ部長によるTICADを中心とした日本とアフリカのパートナシップについての講義が行われました。

参加者からは、日本の発展に大きく寄与した「5S・カイゼン」や「受容と適応(adopt and adapt)」といったアプローチを自国での政策立案や日々の業務に活かしたいとの発言がありました。どの講義においても、参加者と講師陣との間で積極的な質疑応答が行われ、また各国の高官がお互いに学びあう時間となりました。

3.経団連との意見交換・各種視察

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経団連との対話後の様子

本研修では、政策立案や日本の開発に関する講義に加え、日本の発展に重要な役割を果たした民間セクターについて深く理解するための意見交換や視察も行われました。経団連から和田照子国際経済本部長、野村良寿国際協力本部統括主幹を招き、産業代表としての日本の政策についての評価を聞くとともに、今後、民間セクターとしてアフリカにおいて注力すべき分野についての意見交換を行いました。

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施設見学の様子

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経団連との意見交換のほか、日本の民間セクターの変遷が学べる産業遺産情報センターや日本のスタートアップを支援するインキュベーション施設Impact HUB Tokyo等を視察しました。

4.デザインアプローチ・ワークショップ

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ワークショップの様子

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今回の研修の特徴の一つとして、株式会社Laereによるデザインアプローチ・ワークショップを実施しました。

本研修で行われたデザインアプローチは、少人数による深い対話を通じて各自の生きる軸に触れつつ、その関係性を活かして現在の延長線上の未来ではなく不確かな兆しを手掛かりに未来を思い描き、その上で現在を議論するという方法です。これまでの多くの研修で行われたワークショップとはひと味違う、より実践的で参加型の研修となりました。

本ワークショップにはJICA内の有志も参加し、研修参加者であるアフリカ高官と対等な立場で対話を行い、最後には各々が期待する日本・アフリカの未来について共有しました。

5.閉会挨拶・評価会

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最終日の評価会の場では、安藤直樹JICA理事が改めて参加者に感謝を伝えるとともに、今年はTICAD9が開催される特別な年であり、その先およびアフリカ連合が掲げる大陸アジェンダ2063に沿ったアフリカの開発・発展に向け、今回の参加者が各国の鍵となって日本との関係を深化してほしいという期待、および参加者からの質問に応じてアフリカの開発やJICAの協力について意見交換を行いました。

最後に参加者からは、本研修を企画・実施したJICAおよび国際大学への感謝のほか、次回の本研修に向けた期待を共有し、約1週間の学びについて振り返りました。

今年8月に横浜で開催されるTICAD9に向け、引き続きJICAは、このようなアフリカのリーダー層へのアプローチや関係強化を進めつつ、対アフリカ協力を推進していきます。

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