明石市のインクルーシブなまちづくりがパラグアイで紹介されました!
掲載日:2025.02.25
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2025年2月11日、パラグアイで障害施策に関わる自治体関係者(市長や市職員等)を対象に、日本での障害分野に関する取り組みを紹介するセミナーを開催し、明石市市民生活局市民協働推進室次長兼インクルーシブ推進課長の山田賢氏に登壇いただきました。セミナーには、主催者のパラグアイ障害者人権庁、自治体や市民団体から50名以上が参加しました。
パラグアイでは2008年に障害者権利条約に批准し、2020年には障害者の人権に関する国家行動計画を策定しましたが、歩道整備などインフラ面での課題があるほか、障害者の声を市の施策に反映させる仕組みが整備されていない現状があります。その中で、2024年8月より同国で開始した技術協力プロジェクト「障害者の社会参加促進プロジェクト」は、5つの市を対象に地方自治体レベルでの障害者と行政の対話のためのプラットフォームを設置し、地方自治体レベルでの障害者の社会参加を促進することを目的としています。具体的には、国家障害者人権庁(SENADIS)、市障害者権利委員会(COMUDIS)、障害事務局、障害者団体や支援団体などが集まる対話の場の確立や、その場づくりに関わる関係者の能力強化等を目的としています。
その中で、長年にわたり障害のある人もない人も、すべての人が地域で安全に安心して暮らせるまちづくりに向けた取組を推進してきた兵庫県明石市にご協力いただき、この度2月4日から12日にかけて、パラグアイにてプロジェクトサイトの視察と関係者との面談・意見交換を行いました。
明石市では、2022年に「すべての人が自分らしく生きられるインクルーシブなまちづくり条例」を制定し、条例検討の過程では、様々な障害種別の当時者やその支援者との対話を重視してきました。その他、合理的配慮にかかる事業者向け助成金制度(各申請に応じ、点字メニュー、筆談ボード、スロープ他の導入にかかる費用を市が負担)や市職員向けの研修等を通じて、障害のある人もない人も誰もが安全に暮らせるまちづくりに取り組んでいます。
今回のセミナーでは、明石市がどのように市民との「対話」の機会を増やし、取り組んできたのかを具体例を複数交えてお話しいただきました。参加者からは「市役所内の人事異動等もある中で、どのように各関係者が条例検討に携わってきたのか」など、積極的に質問が投げかけられました。
今後はパラグアイで障害関連の施策に携わる市レベルの職員や当事者が、日本の取り組みを学ぶ機会として、日本国内での研修を予定しており、明石市にも受入れにご協力いただく予定です。JICAは今後もパラグアイにて障害者の社会参加を促進すべく、明石市や現地関係者等との連携を強化してまいります。
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