他国との経験共有オンラインセミナーを開催!ブルキナファソ、ニジェール、マリ、セネガル、それぞれの「みんなの学校プロジェクト」
掲載日:2024.11.26
イベント |
セミナー名:他国との経験共有オンラインセミナー
主催:PAQER-CEC
開催日:2024年9月11日(水)日本時間18:00-21:00
開催方法:オンライン
学校運営委員会(以下、COGES)のネットワークおよびモニタリング強化のためのイノベーションと戦略(ブルキナファソ)
KABORE/COMPAORE Yabiri氏 公教育アクセス総局
COGESのネットワーク強化のためのイノベーションと戦略、国内避難民の生徒のケアとコミュニティを通じた平和構築におけるCOGESの役割(ニジェール)
Abdou Hamidou氏、Fatouma Bayéro氏 学校運営支援局中等学校分権化課
遠隔支援によるプロジェクトの実施、包括的で低コストかつ持続可能なアプローチ(マリ)
Hassane SAMASSEKOU氏 地方分権化/分散化支援室
COGESのネットワーク強化のためのイノベーションと戦略、プロジェクト活動のコストダウンのための工夫と戦略(セネガル)
Seck IBRAHIMA氏 初等教育局
他国との経験共有オンラインセミナー(以下、本セミナー)は、ブルキナファソ、ニジェール、マリ、セネガルの4か国のみんなの学校プロジェクトの関係者が、活動の成果や好事例、課題を共有し、相互に学び合う機会を提供することを目的としています。
ブルキナファソのカウンターパートとともに、8月ごろからテーマ設定やセミナー概要について協議を重ねると同時に、各国のプロジェクト関係者との意見交換をしながら準備を進めてきました。また、セミナー当日の各国の取組に係る発表の準備は、各国のカウンターパートが中心となって進め、彼らのリーダーシップのもとで、段階的に内容を精査し、質を高めていきました。
プログラムは2部制で、第1部では各国が2つのテーマを選定し、成果や好事例、課題について、代表者にプレゼンテーションをしてもらいました。ブルキナファソはCOGESのモニタリング強化を目指したオンラインモニタリングシステムやCOGES間のネットワーク強化のための戦略、ニジェールは国内避難民への支援や中退防止対策としての家庭訪問の取り組み、マリはコミュニティの協力を通じた持続可能な学習改善システム、セネガルはコミュニティレベルの教育フォーラムやコストをかけないオンラインツールを活用したアプローチが紹介されました。
第2部では、発表内容に関連した質疑応答と、自国の成功事例や課題についてディスカッションを行いました。各国から積極的な意見や質問が挙がり、持続可能な教育フォーラムの運営方法や、地域コミュニティの関与の重要性などへの関心が集まりました。特に、地方政府と地域社会の協力がプロジェクトの持続可能性に不可欠であるとの意見が多く見られました。
他方、財政的な制約や、地方政府とコミュニティのリソース不足、自治体間の能力差が大きい点などが、プロジェクトの実施における障壁となり得ることへの課題認識が示されました。退学する生徒を対象に行った家庭訪問や国内避難民のためのファシリテーターの採用など地域社会を巻き込んだ新しい協力モデルや、オンラインツールを活用したプロジェクト管理・モニタリング手法の導入は、より持続可能な教育支援を提供するための革新であり、今後のグローバルな教育支援活動に応用できる可能性を秘めています。
結びでは、参加者から今後もこのような交流や情報の共有を継続するよう求める声が上がりました。それにより、教育プロジェクトの改善と持続可能な発展に向けたさらなる取り組みが期待されています。
表 1:各国が選択した発表テーマ
ブルキナファソ | - COGES1のネットワークを強化するためのイノベーションと戦略 - COGESのモニタリングを強化するためのイノベーションと戦略 |
ニジェール | - COGESのネットワークを強化するためのイノベーションと戦略 - 国内避難民の生徒のケアとコミュニティを通じての平和構築におけるCOGESの役割 |
マリ | - 遠隔支援によるプロジェクトの実施 - 包括的で低コストかつ持続可能なアプローチ |
セネガル | - CGEのネットワークを強化するためのイノベーションと戦略 - プロジェクト活動のコストダウンのための工夫や戦略 |
オンラインセミナー終了後に行ったアンケートでは、各国の参加者代表15名のうち、90%以上が、セミナー内容に「非常に満足」、「満足」と回答し、各国の課題・解決策・優良事例における共通点にも気づけたと回答しています。また、回答者の87%は、他国の事例を自国の活動に活かせるものがあると感じたことも確認できました。
本セミナーを有意義な機会とできたのは、各国での多忙な活動にもかかわらず、関係者のみなさまが準備段階から協力や助言を惜しみなく提供してくださったおかげだと強く感じています。そして、参加国以外のプロジェクト実施国を含め、40名を超える参加者に関心を寄せていただけたことは、各国のカウンターパートやプロジェクトメンバーにとっても、大きな励みとなりました。
1 学校運営委員会の呼称。ブルキナファソ・ニジェールではCOGES、マリではCGS、セネガルではCGEとなる。
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