【COP29サイドイベント】NDC目標に対する森林セクターの貢献の促進: 森林の管理とモニタリングにおけるアフリカの革新的取組と自然に基づく解決策
掲載日:2024.12.18
イベント |
掲載日:2024.12.18
イベント |
氏名 | 所属 | 肩書 |
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井上 泰子 | JICA ケニア国持続的森林管理・景観回復による森林セクター強化及びコミュニティの気候変動レジリエンス(SFS-CORECC)プロジェクト | プロジェクト長期専門家 |
開催日: 2024年11月19日(火) 12:00~13:30(現地時間)
共催:ケニア環境・気候変動・森林省(MECCF)及びケニア森林サービス(KFS)、JICA(国際協力機構)、
共催:タンザニア森林サービス庁、スーダン国家森林公社、モザンビーク土地環境省
会場名(パビリオン名):東アフリカコミュニティパビリオン(ブルーゾーン)
氏名 | 所属 | 肩書 |
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ローズ・アコンボ | ケニア環境気候変動森林省森林局 | シニア森林保全官 |
井筒沙美 | 住友商事株式会社 | カーボンソリューションユニット、開発とインテリジェンス チームリーダー |
グレース・ケムント・オゲチ | SFS-CORECCプロジェクト | JICA プロジェクトオフィサー |
ベス・ウェレンバ | ケニア森林サービス | 森林保全官 |
エリカナ・ジョン | タンザニア森林サービス庁 | シニア森林保全官 |
サイダ・アリ・アフマド・カリル | スーダン国家森林公社 | REDD+ 国家調整官 |
ジョアキム・アーマンド・マクアクア | モザンビーク土地環境省 | 国家森林局マッピング・データ管理課長 |
阪口 法明 | JICA地球環境部 | 国際協力専門員 |
ピーター・シラヨ | ケニア森林サービス | 森林保全官 |
本サイドイベントでは、革新的な森林管理手法を活用して気候変動目標を支援するケニアや他のアフリカ諸国の協力的な取り組みが紹介し、ジェンダーや社会的配慮に焦点を当てた包括的な戦略策定の重要性や、効果的な森林管理に不可欠なモニタリングとデータシステムの必要性、森林保全のための持続可能な資金調達の原動力となっている生態系サービスに対する支払い(PES)や炭素市場などのメカニズムを通じた財政的包摂について議論することです。
加えてこのイベントでは、NDC(国が決定する貢献)目標を達成し、持続可能な開発を推進するために不可欠な取り組みである"ランドスケープと生態系の回復"に先駆的に取り組んでいる各国の知見を共有し、アフリカ全体で長期的な気候変動への回復力と持続可能な森林管理を達成するための協力の重要性を訴求しました。
アコンボ氏は開会の挨拶で、アフリカ諸国が野心的な国が決定する貢献目標(NDCs)を通じて、世界的な気候変動対策を推進するために森林セクターにおいて特に大胆かつ重要なな措置を講じていることを強調し、アフリカ諸国相互の更なる知識交換とベストプラクティスの共有の重要な役割を強調しました。またアコンボ氏は、2032年までに150億本の木を育てるというケニアの国家目標を紹介し、これは景観保全と生態系の回復を達成することを目的とした大統領のイニシアティブであることを強調しました。
基調講演は住友商事の井筒氏が行い、炭素プロジェクトについて民間セクターの視点から意見を述べました。井筒氏は、従来の企業の社会的責任(CSR)活動に比べ、炭素イニシアティブはより持続可能で長期的な森林再生支援になると指摘しました。
ケニアのSFS-CORECCプロジェクトのJICAオフィサーのオゲッチ氏は、ケニアの林業セクターへのJICAの39年にわたる支援を紹介し、現行のSFS-CORECCプロジェクトによる3件の森林政策支援と、グリーンファイナンスの推進についてキツイカウンティでの学校を対象とした活動に焦点を当て説明しました。また、ウェレンバ氏は、SFS-CORECCプロジェクトの下で、森林生態系サービス評価ガイドラインの開発に取り組んでいることを紹介し、その実践的な応用例を紹介しました。
タンザニアのジョン氏は、ガバナンスを改善し、国家収入を大幅に増加させたタンザニアの伐採木材追跡システムに関する情報を提供しました。スーダンのサエダ氏は、国家REDD+政策の進展と、参照レベル(REL)の提出について概説しました。一方、モザンビークのマクアクア氏は国家森林モニタリングシステム(NFMS)と、REDD+のための隔年透明性報告書(BTR)技術付属書を提出したことを紹介しました。ジョン氏、マクアクア氏双方からJJ-FAST再開の希望が述べられました。
最後に、JICA国際協力専門員 阪口氏が、世界的な気候変動目標を推進する上で地域協力が重要であることを強調し、アフリカの気候・開発目標を支援するパートナーシップを強化するプラットフォームとして、来年横浜で開催されるTICAD 9への期待を強調しました。
同イベントは、森林管理とモニタリングにおける革新的な解決策や経験について包括的な議論を行い、気候変動対策におけるアフリカの森林セクターの極めて重要な役割が強調されました。
登壇者:左からシラヨ氏(KFS、SFS-CORECCプロジェクト、ケニア)、ジョン氏(TFS、タンザニア)、サエダ氏(SFNC、スーダン)、マクアクア氏(NDF、MITAM、モザンビーク)、アコンボ氏(MECCF、ケニア)、ウェレンバ氏(KFS、SFS-CORECCプロジェクト、ケニア)、阪口氏(JICA本部)、左手前から井筒氏(住友商事)、オゲッチ氏(JICA SFS-CORECC)
司会進行を勤めるシラヨ氏
JICAのケニアにおける39年の森林セクターの歴史について紹介するオゲッチ氏
生態系サービス支払いについての質問に答えるウェレンバ氏
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