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【COP29サイドイベント】アジアにおける気候関連情報開示 - 中小企業の透明性促進の今と将来 -

掲載日:2024.12.19

イベント |

報告者

氏名 所属 肩書
福田 幸司 国際協力機構(JICA)SPI-NDCプロジェクト 長期専門家(チーフアドバイザー)

概要

開催日: 2024年11月20日
主催: 環境省 共催:アジア開発銀行(ADB)・国際協力機構(JICA)SPI-NDC・一般社団法人海外環境協力センター(OECC)
会場名(パビリオン名):ジャパンパビリオン

登壇者

氏名 所属 肩書
浅尾 慶一郎 日本国環境省 環境大臣
グレース・フー シンガポール持続可能性・環境省 持続可能性・環境大臣
園部 哲史 アジア開発銀行研究所 (ADBI) 所長
加藤 真 海外環境協力センター(OECC) 理事
福田 幸司 国際協力機構(JICA)SPI-NDCプロジェクト 長期専門家(チーフアドバイザー)
ルオン・アン・フイ ベトナム天然資源環境省 気候変動局緩和課 課長
レイチェル・エスター グムタン・レマランテ フィリピン証券取引委員会 ディレクター
アンナ・マリア・ゴンザレス Ayala Land Inc. コーポレート・サステナビリティ部門長
渡瀬 丈弘 アスエネ株式会社 執行役員CPO

背景・目的

ASEANにおけるGHG排出量算定報告と気候関連情報開示の進展が進む中、中小企業による貢献とエンゲージメントのためのインセンティブについて政府、ドナー、民間セクターとの議論を行う

内容

冒頭、浅尾・日本環境大臣とFu・シンガポール環境大臣より挨拶がなされた。Fu大臣は発言の中で、本テーマはシンガポールでも取組みが進み、2025年度よりIFRS対応型の情報開示が開始され、SMEも算定が進むこと、また国内サステナ報告プログラム下でデジタルツールの整備も進んでいる点が触れられた。

続くパネル討議では、JICA・SPI-NDCプロジェクトの福田チーフアドバイザーのモデレーションのもと、主に3つの論点について経験・見解共有がなされた。
論点1:ASEANにおいて中小企業が気候変動関連の情報開示を進める際の課題は何か。
論点2:課題解決に向けて取れるアクションの具体は何か。
論点3:企業の気候変動関連情報開示はどこに向かうべきか。

論点1の課題に関して、フィリピンSECからは、2019年以降、企業のGHG情報開示に係る国内制度、様式、オンラインプラットフォームを整備しており上場企業の開示が進むがSMEはまだ途上である点が指摘された。同様にベトナムMONREからは企業のGHG算定報告の義務付けと共に大規模企業のGHG捕捉が先行し、SMEにも徐々に展開していく必要があるが、相対的にGHG削減の認識が十分でなく、アウトソーシングなしにはGHG開示要件を満たすことが難しいケースが多い点が指摘された。アスエネ社からは内部人材の制約、算定コスト、データ整備に課題がある点が指摘され、アヤラ社からも人材制約について指摘がなされた。

論点2の解決に向けた施策について、OECCからは投資家の要請が述べられた。ADBIからは算定に要するデータ収集のオートメーション化、関係者間の知識共有の場の確保や、開発金融機関による支援が強調された。特にDFIは企業のトランジション計画の策定支援を後押しし、金融機関のポートフォリオ脱炭素化とSMEのscope 1 & 2算定のサポートに支援の余地がある点が示された。アスエネ社からは報告テンプレートの簡素化、デジタル化、基準の調和化・統一化が指摘された。

論点3の方向性に関してADBIからは、相互学習を土台としつつASEANでは健全なpeer pressureを醸成しながら相互成長することと共に地域間相互学習の有用性についても言及がなされた。SECからはASEANの文脈では、地域の目的に適ったかたちで‟自身の基準”を構築すべきとする見解が示された。

パネル討議の後、

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集合写真

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パネルディスカッションの様子