モンゴル国におけるサイバーセキュリティ成熟度評価とAI活用に関するワークショップを開催しました。
掲載日:2025.02.20
イベント |
2025年2月19日および20日、モンゴル・ウランバートル市において、日本の国際協力機構(JICA)はモンゴル国デジタル開発・イノベーション・通信省(MDDIC)および英国オックスフォード大学のグローバル・サイバーセキュリティ・キャパシティ・センター(GCSCC)と共に、2つのイベントを実施しました。
本イベントは、JICAとMDDICが連携して実施する技術協力プロジェクト「サイバーセキュリティ人材育成プロジェクト」の一環として開催されました。
なお、19日のセミナーでは、「モンゴル国におけるサイバーセキュリティ成熟度評価(CMM)」の最終報告書が完成したことが発表されました。この報告書は、2024年10月にGCSCCの専門家チームがモンゴルを訪問し、政府機関、民間企業、学術機関、国際機関など100以上の関係者に対してインタビュー形式の現地調査を実施した成果に基づくものです。
調査実施時のイベントレポート:
https://www.jica.go.jp/information/seminar/2024/1554767_52234.html
2025年2月にCMM調査の最終報告書が完成し、2月19日に実施した調査結果報告会では、完成した報告書についてオックスフォード大学GCSCCの調査員に解説いただきました。
GCSCCより、CMM報告書に基づく評価結果と、国家レベルのサイバーセキュリティの現状と今後の強化方策について解説が行われました。報告書にはモンゴル国のサイバーセキュリティの現状と課題、今後推奨される活動が記載されています。モンゴルは国家サイバーセキュリティ戦略(NCS)を2022年に策定し、CSIRTの設立や法整備を進めていますが、実施の遅れや予算不足、人材不足が課題となっています。特に、政府機関や重要インフラのセキュリティ対策の強化、教育・研修プログラムの充実、国際協力の拡大が推奨されています。
また、官民の関係者を交えたパネルディスカッションでは、モンゴル国内の政策立案者や学識経験者が、今後の取り組みについて活発な意見交換を行いました。
報告会には300名超が参加し、ライブ配信やTVニュースに取り上げられる等、モンゴルにおけるサイバーセキュリティの注目度の高さがうかがえました。
翌日のワークショップでは、「AI活用によるサイバーセキュリティ成熟度評価」の試行運用として、モンゴルにおけるAIやサイバーセキュリティの関係者75名が集まり、AI活用とサイバーセキュリティの現状について議論を行いました。
本ワークショップでは、オックスフォード大学GCSCCが開発中の評価指標を用いたディスカッション形式のセッションが行われ、参加者は「AI活用によるサイバーセキュリティ対策の評価」に関する20以上の設問について意見交換を行いました。
ワークショップにはオックスフォード大学から4名の調査員がファシリテーターとして参加し、参加者との対話を通じて同評価手法の有効性を検証しました。
今回のイベントおよびCMM最終報告書の完成を通じて、モンゴル国のサイバーセキュリティ分野における政策強化と人材育成、国際標準の導入がさらに促進されることが期待されます。JICAは今後も関係機関と協力し、安全なデジタル社会の構築を支援してまいります。
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