アルゼンチン・メキシコの日系社会を代表する食品ビジネスリーダー9名を招へい、日本産品の輸出拡大に向けて、視察・交流会を実施
掲載日:2025.08.06
イベント |
JICAは、中南米地域の日系社会とのネットワークを活用し、日本産品の新たな市場開拓および地域経済の活性化を目的として、2025年7月6日(日)~7月19日(土)の14日間にわたり、「アルゼンチン・メキシコ日系社会ビジネスリーダー本邦招へい」プログラムを実施しました。
今回日本を訪問したのは、アルゼンチン日系食レストラン協会会長や日本産品専門スーパー営業部長、和食レストラン経営者・シェフなど、アルゼンチンおよびメキシコの日系社会を代表する食品関連分野のビジネスリーダーです。
9名の招へい者は福島県、三重県、岐阜県、静岡県を訪問し、日本酒、醸造食品や加工食品等を扱う企業・市場の視察、関係者との面談・商談を行いました。その様子は多くの地元紙から取材を受けました。
福島県訪問に先立ち、7月7日(月)には経済産業省資源エネルギー庁による東京電力福島第一原子力発電所の廃炉と福島復興の進捗状況に関する講義が行われ、福島県産品の安全性について科学的根拠に基づく説明が提供されました。
7月9日(水)以降の現地訪問では、味噌や甘酒などの発酵食品を製造する企業や酒蔵、漁港などを訪問し、安心・安全で高品質な福島産品の魅力を体感しました。地元産品の試食や食文化体験、被災者の声を直接聞く機会を通じて、福島の復興状況や食品づくりへの理解が深まりました。
国税庁 酒類業振興・輸出促進室および名古屋国税局の協力のもと、7月14日(月)~7月16日(水)に酒蔵・醸造企業の視察および商談会を実施しました。
招へい者からは、「日本酒の製造工程の理解は不可欠であり、今回の説明は非常に有益だった」との声が寄せられ、商品のストーリーや製造背景の理解が販売促進に役立つと評価されました。
岐阜県および静岡県では、酒蔵・醸造企業が会場に集まり、招へい者との個別商談を実施しました。レストランを経営する招へい者からは「興味のある製品を輸入できるよう、輸入業に携わる招へい者と今後打合せをしたい」との意見があり、招へい者同士の帰国後の連携が期待されます。
また、別の招へい者からは「商品の特徴だけでなく、日本人のビジネスにおけるふるまい方を学ぶことができた」との感想があり、文化理解の面でも有意義な機会となりました。
招へい者からは、以下のような具体的な取り組みが提案されています。
本プログラムを通じて、招へい者は日本の地域文化、産業、復興の現場を深く理解し、それぞれの専門性を活かして帰国後に具体的なプロモーションや事業展開を計画しています。
特に、日本酒や食品の輸入・普及、日本ブランドの発信強化、教育・啓発活動など、多角的なアプローチによる成果が期待されます。
また、JICA中部センターでは、中部地域の酒類・醸造関連企業をアルゼンチンへ派遣する調査団事業を計画しており、今回の招へいに関わった企業が今後調査団事業に参加することで、現地での事業展開を促進する関係性の構築が期待されます。継続的な交流と協力を通じて、中部地域の企業がアルゼンチン市場において新たな展開を図る足がかりとなることが期待されます。
ビジネス交流会に臨むビジネスリーダー(JICA麹町)
ビジネス交流会の様子(福島県郡山市)
味噌の仕込み体験(福島県郡山市)
東日本大震災・原子力災害伝承館の訪問(福島県双葉郡双葉町)
道の駅なみえの訪問(福島県双葉郡浪江町)
酒蔵の訪問(三重県鈴鹿市)
味噌・醤油の醸造企業の訪問(岐阜県岐阜市)
商談会の様子(静岡県静岡市)
scroll