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【COP30サイドイベント】Systemic coordination in aligning national and international resources

掲載日:2025.12.10

イベント |

報告者

氏名 所属 肩書
吉田 徹 JICA 企画部サステナビリティ推進室企画役

概要

開催日:2025年11月17日
主催:UNFCCC, IDFC, FiCS
会場名(パビリオン名):Special Event Room 5 Tapajos

登壇者

氏名 所属 肩書
コンスタント・ハーボン 国際開発金融クラブ(IDFC)事務局 NUCA Program Manager
ジェンス・セデムンド 経済開発協力機構(OECD) Head of the Environment and Climate Change
ジョアキム・レイテ NDCパートナーシップ Head of Climate Finance
ゼフ・ヌレコ 南部アフリカ開発銀行(DBSA) Chief Economist
稲田 恭輔 JICA サステナビリティ推進担当特命審議役

背景・目的

公的開発銀行(PDB)が持続可能な開発資金を動員し、国際的な気候目標と各国の優先事項を整合させる役割を強化することが重要。Finance in Common Summitで採択された「Compromiso de Sevilla」により、PDBは国際金融アーキテクチャの中核として位置づけられ、技術支援(TA)と能力構築(CB)が金融改革の鍵であることが確認された。こうした背景を踏まえ、FiCSはCOP30に向けて「Technical Assistance Hub」を立ち上げ、TA提供、グローバルなTAカタログ、知識共有、国際的アドボカシーの4つの柱を通じてPDBのパリ協定およびSDGs整合を支援。本セッションでは、TA・CBの重要性を踏まえ、開発パートナー間の協力を促進し、効率性とインパクトを高める革新的なツールやモデルを紹介する。また、国レベルでの統合的アプローチやジェンダー対応を含む包括的な気候変動対策の投資戦略を議論し、小規模PDBの能力不足や資源制約を克服するための協調的な方策を模索する。さらに、G20 TAAPやMDBロードマップなどの国際的な取り組みと連携し、政策から実践への移行を加速することを目指す。

内容

セデムンド氏(OECD)は、ブレンデッドファイナンス活用における最大の障壁は標準化の欠如であり、スタンダードの調和と知識共有が不可欠だと指摘した。ヌレコ氏(DBSA)は、国レベルでは複数のステークホルダー間の調整が難しく、FiCSが情報集約のハブとして機能する必要性を強調した。レイテ氏(NDC Partnership)は、保証メカニズムと技術支援の連携強化がNDC実施の加速に不可欠だと述べた。稲田特命審議役(JICA)は、ジェンダー対応の技術支援が気候金融の質を高める戦略的要素であるとし、エネルギー分野での具体例を紹介した。標準化、統合、地域協力、リスク低減、ジェンダー対応の必要性が共有され、FiCSを中心とした国際的協調の必要性が再確認された。