第70回国連女性の地位委員会サイドイベントへの参加
掲載日:2026.04.15
イベント |
第70回国連女性の地位委員会(CSW70)に合わせ、ジェンダー平等・貧困削減推進室がニューヨークにおいて、2件のサイドイベントでの発信を行いました。
3月12日 12:30-14:00、国際連合アフリカ連合代表部
FAO、UN Women、ILC、JICA、シエラレオネ政府等
本イベントは、女性農家の土地所有権をテーマとするものです。土地所有権は、単に財産所有の問題では片付けられません。自分の土地があることで、女性ははじめて「どうやって農業するか」を決められるようになり、長期的な土地改良への投資が出来たり、銀行融資や技術普及サービスへのアクセスが受けやすくなります。世界、特にグローバル・サウスにおいて、女性の農家は食料生産の重要な役割を担っているにもかかわらず、依然として資源へのアクセス、土地所有権や意思決定において構造的に不利益を受けているのが現状です。
これらを踏まえて実施された本イベントでは、JICAからはジェンダー平等・貧困削減推進室、広瀬室長が登壇。権利が単なる法律上の条文に留まらず、女性たちが自らの権利を守り、行使できるようにするためのJICAの支援事例を紹介しました。具体的には、まず各国の弁護士会、コミュニティ調停、法律扶助ホットライン運営支援などを通して、女性が司法アクセスしやすい環境づくりに取り組んできたこと。さらには、農業の文脈においては、エチオピアにおける「持続可能な土地管理計画(Sustainable Land Management)」プロジェクトを紹介しました。土壌侵食などをはじめとする深刻な土地の劣化の課題に対処するため、JICAが研究機関と連携して支援を実施しており、その中で、プロジェクトへの女性の参加を促進し、養鶏、酪農などにおける生計向上を実施した事例を紹介しました。
登壇者集合写真(左端:広瀬ジェンダー平等・貧困削減推進室長)
3月12日、国際連合本部
日本政府代表団、日本NGO代表3団体
本イベントは、「すべての女性と女児の司法へのアクセスの確保と強化」というCSW 70の優先テーマに沿って、日本や他国の経験や知見を共有するもの。冒頭、国際連合日本政府代表部御巫特命全権大使より、人間の安全保障のアプローチに基づくコンゴ民主共和国での性暴力被害者支援など、日本の国際貢献についても言及がありました。その後、宮下摩維子講師(駿河台大学)が、日本のひとり親家庭の貧困と養育費未払い問題についての研究結果を発表した他、竹村仁美教授(一橋大学)からは、国際刑事裁判所における紛争後の性的暴力訴追の困難さ、紛争後の司法枠組み設計に女性の参加を取り入れることの重要性についての紹介がありました。
JICAからは、ケニアで実施した個別専門家案件「ジェンダーに基づく暴力撤廃に向けた地方行政能力推進アドバイザー」においてプロジェクトアシスタントを務めており、自身も法律家であるBelgrade Okwiry氏が登壇。ケニアでは進歩的な憲法・法律が整備されている一方、女性の43%が親密なパートナーによる暴力(Intimate Partner Violence: IPV)を経験している中で、暴力について訴えようにも、男性中心の地域紛争解決システムや、多くの女性が夫に経済的に依存している状況、また裁判所までの物理的距離(約200km)などが、司法アクセスの障壁となっていることを説明しました。その状況を踏まえたJICAの取組として、国司法関係者の能力強化、カジアド県の裁判所へのGBV事案登記所の設置、週2日のGBV対応日の確保、GBV回復センターにおける無料で法的支援を受けられるリーガルエイドルームの設立などの好事例を共有しました。
登壇の様子(中央:Okwiry氏)