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ATCSW、タイ・チェンライ県で地域のレジリエンス強化と防災に向けた連携を推進

掲載日:2026.06.04

イベント |

ASEAN地域における社会福祉人材育成プロジェクトは、2025年8月に始動しました。本プロジェクトは、ASEAN社会福祉・ソーシャルワーク研修センター(ATCSW)、タイ社会開発・人間の安全保障省(MSDHS)、JICAが連携して実施する技術協力プロジェクトです。
ATCSWがASEAN地域の中核的な研修拠点として、より質の高い研修を提供できるよう基盤強化を図るとともに、地域のソーシャルワーカーや社会サービス人材にとって実践的な学びの機会を広げることを目指しています。

多様な立場が集い、地域の防災を考える

2026年4月16日から17日にかけて、ATCSWはタイ北部チェンライ県トゥーン郡にあるJoy Foundationで開催された「地域のレジリエンスと防災」に関するワークショップに参加しました。
本ワークショップは、Joy Foundation理事長でありGlobal Institute of Social Work(GISW)代表も務めるタン・ンゴー・ティオン教授の主催のもと、国際NGOのPeaceland Foundation、香港のNPOであるSocial Workers Across Borders Ltd.との協力により実施されました。
中国、シンガポール、ミャンマー、タイから、ソーシャルワーカー、専門家、ボランティア、そして地域住民を含む計30名が参加し、国や地域、分野を越えた活発な意見交換が行われました。

社会的レジリエンスを高めるための専門的知見を共有

ワークショップでは、危機管理における社会サービスの役割をテーマに、ATCSWから専門的な知見が共有されました。
ATCSW事務局長のチンチャイ・チーチャルーン氏は、災害対応の各段階—緊急対応から長期的な復興に至るまで—におけるソーシャルワーク及びヒューマンサービスの重要な役割を解説しました。特に、地域ネットワークの強化、要配慮者への重点的支援、心理社会的な備えを含む社会的レジリエンスの強化について、包括的な視点から発表しました。
また、ATCSWに勤務する横山明子JICA専門家は、日本における防災・減災分野での市民ボランティア育成の経験を紹介しました。地域住民が主体となって取り組むボランティア活動が、災害時の被害軽減や復興の迅速化に大きく貢献してきた事例は、参加者から高い関心を集めました。

現地視察で深める理解

― 理論から実践へ ―

セミナーに加え、参加者はタイとミャンマーの国境に位置し、近年深刻な洪水被害を受けたメーサイ郡を訪問しました。国境を越えて影響が及ぶ災害対応の複雑さや、行政間・地域間連携の重要性について、現地で理解を深めました。
更に、トゥーン郡のノンソンブーン及びバーンスアンの2つの集落にある洪水リスク地域を視察し、地域住民による支援活動や防災への備えの現状を確認しました。
ATCSWは、チェンライ県防災局及び社会開発・人間の安全保障事務所とも意見交換を行い、災害に備えた連携強化や統合的な対応体制構築に向けた協議を行いました。

次世代の人材育成へとつなげる取り組み

本ワークショップで得られた知見や実践経験は、「災害リスク軽減(DRR)及び気候レジリエンスにおけるソーシャルワーカー及び社会サービス人材の役割に関するASEAN地域ガイダンス」に沿った、ATCSWの今後の活動に活かされることが期待されています。
ATCSWは今後、災害リスク軽減(DRR)や気候変動適応(CCA)の視点をソーシャルワーク及び社会サービスのカリキュラムに体系的に組み込み、地域の中核研修拠点として、気候関連の課題に効果的に対応できる人材の育成を進めていきます。JICAは今後もATCSWと連携し、地域に根差した社会福祉人材の育成を引き続き推進していきます。

チェンライ社会開発人間安全保障県事務所での面会

チェンライ県トゥーン郡の住民との防災ワークショップ