日本とASEANがともに考えるこれからの国際協力 第2回ASEAN・日本開発協力機関ラウンドテーブル会合(EDPAJ)がバンコクで開催
掲載日:2026.10.22
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2026年10月9日、タイ・バンコクにおいて、第2回ASEAN・日本開発協力機関会合(EDPAJ: Emerging Development Partners from ASEAN and Japan)が開催されました。本会合は、タイ外務省国際協力局(TICA)とタイ周辺国経済開発協力機構(NEDA)の共催により実施され、日本からは国際協力機構(JICA)が参加しました。さらに、インドネシア、マレーシア、シンガポールの開発協力機関・外務省関係者が参加し、フィリピンはオブザーバーとして出席しました。
EDPAJは、日本とASEAN諸国の開発協力機関が経験や知見を共有し、新たな協力の可能性を探るための対話の場です。第1回会合は2024年に東京で開催され、今回が2回目となります。今回は「より安全で持続可能な未来に向けたASEANの強靱性強化と新興開発パートナーの役割」をテーマに議論が行われました。
近年、地政学的な緊張の高まりに加え、気候変動や自然災害、食料・エネルギー安全保障、公衆衛生上の危機など、国境を越える課題が増えています。こうした課題に対応するためには、一国だけではなく、さまざまな国や機関が連携して知恵や経験を持ち寄ることが不可欠です。特にASEAN諸国は急速な経済発展を背景に、自らの開発経験を他国と共有する重要なパートナーとして国際社会での存在感を高めています。
JICAは、会議の冒頭挨拶で、複雑化する開発課題に対応するためには、各機関が互いに学び合いながら解決策を共につくり上げていくことが重要であると強調しました。また、EDPAJを単なる情報交換の場ではなく、参加機関が継続的に学び合いながら新たな価値を生み出す「循環型協力(Circular Cooperation)」の枠組みとして発展させたいとの期待を表明しました。
JICAによるセッションでは、ラテンアメリカにおける三角協力の経験を紹介しました。例えば、日本とブラジルが協力して培った地域警察活動の知見を中南米各国へ展開した事例や、防災分野での国際ネットワーク形成の取組などが共有されました。こうした経験を踏まえ、ASEANでも各国がそれぞれの強みを持ち寄り、さらに民間企業や大学など多様な主体が参加することで、新しい解決策を生み出せる可能性について議論されました。
その後の意見交換では、経済安全保障、食料安全保障、公衆衛生、気候変動、防災、デジタル・トランスフォーメーション、人材育成など幅広い分野について各国が取組を紹介しました。そして、研修や専門家交流、共同ワークショップ、共同プロジェクトの形成などを通じて、実際の成果につながる協力を進めていく必要性が共有されました。
参加機関は、各国が持つ専門性や研修制度、実施中の事業などの情報を整理・共有し、支援を必要とする国のニーズと各機関の強みを結び付けることで、今後の共同案件や三角協力の具体化を進めていく方向性を確認しました。これらの議論の成果は「Bangkok Summary(バンコク・サマリー)
」として取りまとめられ、ASEAN地域の強靱性向上だけでなく、域外の開発課題にも貢献していく方針が確認されました。
今回の会合は、ASEAN諸国の変化と成長を象徴するものでもあります。例えばタイは、1990年代に日本から多くの政府開発援助(ODA)を受け取っていました。しかし現在では、自らも開発協力の担い手として他国への協力を行っています。今回、タイのTICAとNEDAが会合を主催したことは、ASEAN諸国が支援を受ける立場から、国際協力を共に担うパートナーへと発展してきたことを示しています。EDPAJは、各国の対等なパートナーシップのもと、お互いの技術や経験、アイデアを出し合い、共通の課題に協力して取り組む枠組みといえます。
JICAは今後もASEAN諸国の開発協力機関との連携を深め、それぞれの知見や経験を生かした共創を通じ、持続可能な発展に貢献していきます。