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JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト最終回の表彰式を開催―未来につながる64年の取り組み

2026.03.04

次世代を担う中学生・高校生が、世界の問題・課題を知り、日本とのつながりについて理解を深め、自らの行動を考える機会として実施してきたJICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテストは、今年度、64年の歴史に幕を下ろします。最終回となる2025年度は「世界の幸せのために私たちができること~未来へつなげるために~」をテーマに作品を募集し、中学生の部11,943作品、高校生の部17,911作品、総計29,854作品の応募が寄せられました。その中から選ばれた受賞者を迎え、2026年2月14に東京・市ヶ谷のJICA地球ひろばで表彰式を実施。中学生・高校生合わせて40名が参加し、「世界の幸せ」という大きな問いに向き合った言葉を共有し合い、64年にわたるコンテストの歩みとその意義を振り返りました。

身近な課題への気づきが、国際協力への第一歩に

表彰式の冒頭では、JICA理事長の田中明彦が受賞者に向けて、「身近な日常の気づきを通じて世界の課題との関わりを考え、相手の立場に立つ姿勢を大切にしてほしい、それこそが国際協力への第一歩である」と述べました。

中学生の部の審査員長である尾木直樹さんは、一人一人のエッセイを通じて、模擬国連での議論や難民支援活動など、学びを行動へとつなげている受賞者の姿勢に触れ、教育に携わる立場として大きな勇気をもらったと述べました。また、本コンテストについて「エッセイを書くことがゴールではなく、問題意識を深め、行動まで結び付けていることが最大の魅力」と強調し、若い世代へ力強いエールを送りました。

審査講評(尾木審査員長)

審査講評(星野審査員長)

高校生の部の審査員長である星野知子さんは、「不安定な国際情勢の中でも、希望をもって社会課題に取り組む高校生の姿に心が洗われた」と述べました。作品には、生徒自身の被災体験や海外での学びを、研究や地域での活動に生かそうとする取り組みや、人との対話を重ねながら課題に向き合う姿勢が表れており、自分と誰かの喜びをつなぐ思いが感じられ、今後の歩みを温かく見守っていきたい、と期待を寄せました。

受賞者へ授与が終ると、これまでの「エッセイコンテストと日本の国際協力」の歩みを振り返る映像が放映され、続いて、過去の受賞をきっかけに国際協力の道へ進み、現在はJICA職員として活躍する福地健太郎職員から、受賞者へのメッセージが届けられました。

「自分ごと」として世界の課題を考える

受賞者を代表して登壇したのは、独立行政法人国際協力機構理事長賞を受賞した加賀美さくらさん(大阪府立水都国際中学校・3年)と、橘葵衣さん(金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校・2年)。加賀美さくらさんは、「学びの力が未来を変える」というテーマのもと、学びたいという思いは国や環境を越えて共通している点に触れ、この受賞を次の学びへの出発点にしたいと述べました。

また、橘葵衣さんは、「文章だけでなく、これまで積み重ねてきた行動が評価されたことが自信につながった」と語りました。さらに環境問題や国際課題を考える上で、多様な立場や主観から出発することの重要性を強調しました。

座談会と体験型プログラムで、学びを「行動の準備」へ

表彰式後に行われた座談会では、受賞者一人ひとりが、自身のエッセイのテーマや国際協力への関心をもとに、審査員や来賓へさまざまな質問を投げかけました。現場での経験や考えに触れる中で、参加者が自らの問いを深めていく様子がうかがえました。多様な分野で活躍する大人たちと向き合う中で、受賞者たちの表情には、新たな視点を受け止めようとする真剣さが表れていました。

座談会の後は、JICA地球ひろばの基本展示である「人間の安全保障~世界を知る、世界を変える~」展を、地球案内人の解説を聞きながら見学しました。保健、教育、貧困、紛争、感染症など、世界各地で人々の暮らしや尊厳が脅かされている現状を、展示物を見て・さわって・聞いて学び、一人ひとりの命と生活に焦点を当てた「人間の安全保障」の考え方への理解を深めました。参加者は目を輝かせながら説明に耳を傾け、展示を前に活発に質問をするなど、世界の課題を自分ごととして捉えようとする様子が見られました。

続いて行われたワークショップでは、JICA海外協力隊の経験をもとに、セネガルの事例を通して「公平」について考えました。お金を「あげる/あげない」という選択を手がかりに、多様な立場や背景、文化の違いに目を向けながら意見を交わし、支え合いのあり方について理解を深めました。
今回の座談会とワークショップを通じて、参加者は世界の課題を自分ごととして捉え、多様な視点から考える姿勢を深めました。学びを将来の行動につなげていくための、貴重な機会となりました。

座談会

地球ひろば見学

国際協力ワークショップ

おわりに-最終回のその先へ

受賞者の皆様、改めておめでとうございます。長年にわたりコンテストを支えてくださった全ての皆様に心より感謝申し上げます。「海外移住懸賞作文」として始まった1962年以来64年間にわたり、国際協力や異文化理解への関心を広げる入り口として、本コンテストは多くの中高生・学校と歩んできました。

2025年度でコンテストは終了しますが、その精神を引き継ぎ、JICAは今後も探究学習支援や交流機会の創出、オンライン出前講座の拡充、体験談共有キャンペーンの推進などを通じて、若者の世界への関心が芽生える瞬間を支え続けます。
エッセイコンテストを支え、応援し、参加してくださった皆様に心より御礼申し上げます。

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