天皇皇后両陛下が帰国した海外協力隊、シニア海外協力隊及び日系社会海外協力隊の隊員と御懇談
2026.08.25
帰国した海外協力隊員、シニア海外協力隊員、日系社会海外協力隊員の代表が7月9日、皇居(御所)において天皇皇后両陛下に御懇談の栄を賜り、派遣国での活動をご報告しました。帰国隊員と両陛下との御懇談は、1965年に青年海外協力隊が発足した当初から今日に至るまで続いています。
今回、両陛下にお目にかかったのはアジア、アフリカ、大洋州、中南米の国々に派遣されていた海外協力隊、シニア海外協力隊、日系社会海外協力隊の隊員計6名です。御懇談に先立ち、JICA本部(東京都千代田区)で田中明彦理事長と面談しました。
前列左から三村さん、コウさん、田中理事長、小椋さん、松田さん
後列左から大塚青年海外協力隊事務局長、宮本さん、宮村さん
三村真理さん(フィリピン派遣、職種:野菜栽培、神奈川県出身)は、フィリピン北部のバタンガス州の町役場農業事務所に配属され、職員や農家への技術指導を通じて地域の野菜栽培の普及に取り組みました。2年間の活動を通じて、28品目の野菜栽培を導入し、料理試食会や農業セミナーの開催、タガログ語によるニュースレターの発行、無人販売所の設置などを住民とともに取り組みました。こうした活動を通じて、地域に適した野菜栽培の定着と農業振興に貢献しました。
モデル農園で耕運を使用した耕うん技術を指導する様子
現地の理学療法士とともに理学療法を実施する様子
宮本浩徳さん(マレーシア派遣、職種:理学療法士、大阪府出身)は、マレー半島北西部に位置する クダ州の重度障害児入所施設において、職員のリハビリテーション技術の向上と施設環境の改善に取り組みました。現地の理学療法士と協力しながら症例検討会や研修を実施し、日本の知見や技術を共有しました。その結果、職員の専門性や障害への理解が深まり、子どもたち一人ひとりの状況に応じた支援が充実するとともに、生活の質の向上を目指した支援体制づくりに貢献しました。
松田信秀さん(ボツワナ派遣、職種:コンピュータ技術、北海道出身)は、首都近郊の都市トロッケンにあるトロッケン教育大学のIT部門に配属され、大学全体の情報システムの開発・運用に携わりました。管理システムの新規構築に加え、職員向け研修を実施し、システムの持続的かつ安定的な運用を担う人材の育成に取り組みました。また、eラーニングシステムの導入を通じて学生の学習環境の充実を図り、より体系的で効率的な学習機会の提供に貢献しました。
教育大学で職員向けのワークショップを実施する様子
幼稚園で健康診断を実施する様子
コウ奈々子さん(ミクロネシア派遣、職種:家政・生活改善、沖縄県出身)は、ミクロネシア連邦の4つの州のうちのひとつであるポンペイ州のコロニア教育局幼児教育部門に配属され、子どもの生活習慣病予防を目的とした食育や健康教育に取り組みました。地元食材を活用した給食の導入や園内での野菜栽培、幼稚園合同のスポーツイベントの開催などを通じて、子どもたちの健康的な生活習慣の定着を支援しました。また、保護者への啓発活動にも力を入れ、幼稚園、家庭、地域が連携した生活習慣改善の取り組みづくりに貢献しました。
小椋知子さん(コロンビア派遣、職種:小学校教育、大分県出身)は、コロンビアの中西部に位置するキンディオ県の教育局に配属され、算数科の学力向上と教員の指導力強化に取り組みました。特に、カリキュラムや教科書の見直し、教員研修の実施、小学校への巡回指導を通じて教育の質の向上に尽力。さらに、教員養成校や大学において実践的な講義を行いました。作成した教科書は県内の全小学校に配布され、帰国後も継続して教育現場で活用されています。
巡回指導先の子どもたち、現地同僚と一緒に
運動会で「おらわ踊り」を披露し笑顔で退場する生徒たちの様子
宮村登茂子さん(パラグアイ派遣、職種:文化、富山県出身)は、首都近郊にあるパラグアイ日系日本人連合会に配属され、日本文化の普及活動に取り組みました。パラグアイ国内の日本語学校などからの依頼に応じ、着付け、盆踊り、書道、茶道などの文化指導を幅広く実施しました。ラ・コルメナ地区の日本語学校では、富山県の伝統芸能である「おわら踊り」を指導し、生徒とともに学校行事で披露しました。また、富山県の中学校とのオンライン交流を実施し、相互理解の促進に貢献しました。
御懇談後、参加者からは、「一人ひとりの活動に深く関心を寄せてくださり、感銘を受けた。」、「あたたかいお言葉をいただき、今後の人生の励みになった。」などの感想をいただきました。