訓練生インタビューvol.13 ~2021年度2次隊 佐々木裕さん~【世界の医療格差を無くしたい】

【写真】佐々木 裕 さん隊次:2021年度2次隊 派遣予定国:マラウイ共和国 職種:理学療法士
佐々木 裕 さん

JICA海外協力隊に参加した経緯を教えてください。

私は、理学療法士として病院や介護施設で働いていました。社会的弱者や高齢者などと接するうちに、若い世代の人がどうすれば社会貢献できるか考え、地域の赤十字団体に所属し、ミャンマーの赤十字社訪問に参加しました。そこで実際に開発途上国の医療現場を見て、日本との違いについて驚かされ、自分も何かできるのではないかと思うようになりました。そんな経緯があって、青年海外協力隊に応募しました。

コロナ禍での派遣延期、不安だったことはありま すか。

新型コロナウイルス感染症の影響で当初2020年の2次隊で訓練参加予定でしたが延期となり、訓練が未定になっている期間はとても不安でした。仕事も退職してしまったので、これから生活をどうすればいいのかという危機感もありました。自分が応募しようと思ってから合格するまでの間、あまり英語が得意ではなかったので、現地に行って自分の専門分野の言葉を話せるか。また理学療法士として患者様や地域の方々と信頼関係を得るために、どのような話し方や態度で接したらいいかというところはすごく悩みました。

駒ヶ根訓練所での訓練生活はどうですか。

【画像】訓練では、価値観や性格が違う仲間と生活する上で自分が足りない部分を気づかせてくれました。色々な人がとても輝いている姿を見たり、近い距離で一緒に学ぶことによって、自分自身の成長や発見に繋がり、自分ももう少しこうやって気を付けてみようなど試行錯誤することができています。任地でも自分とは全く価値観が違う人、文化・生活が違う人と一緒になるということはこんな感じなのかなと思って、任地との生活に重ね合わせています。また、英語授業ではテクニカルクラスという自分の専門職種について他の人にプレゼンをする授業があります。専門用語を使用し、どうすれば相手に伝わるか、文脈をきちんと考えなくてはならず、時間がかかり大変です。しかし、訓練所に入る前と入った後では、自分が一歩一歩、任国に近づいているという実感が強くなっています。任国では日本人の支援を一日も早く待っている方がいるので、それに応えられるように、この訓練期間で、活動に必要な語学はもちろん、健康管理や危機管理などもしっかり身につけていきたいと思います。

任国での活動を教えてください。

任国では首都にある公立病院で患者様のリハビリテーションおよび同僚への技術指導を行います。その公立病院は、無料でサービスが受けられることもあり、非常に多くの患者様が利用することが問題点としてあがっています。そこは日本での経営と向こうでの経営をうまくマッチングさせながら対策をとっていきたいと思います。帰国後は理学療法士として働き続けることも一つありますが、JICA関連の仕事にも興味があり、これから青年海外協力隊を目指す人にどんどんこの事業をアピールしていきたいと思っています。最終的にはいろんな方々に興味を持っていただいて、世界の格差というものをなくしていきたいと考えています。