訓練生日記~2023年度1次隊① 坂井陽一さん エクアドル/障害児・者支援~

【写真】坂井 陽一さん隊次:2023年度1次隊 派遣予定国:エクアドル 職種:障害児・者支援
坂井 陽一さん

定年退職、そして、南米の地へ再び!

1986年、昭和61年度1次隊、体操競技隊員としてペルーに派遣される。現地の方々の輝く瞳が、私の毎日を支えてくれました。

60歳、定年退職…「これからの自分の人生をどのようにデザインしていくか?」、
いつ頃から考えるようになったかはよく覚えていませんが、「定年退職は、一つのゴールではあるけれど、また同時に大きなチャンスでもあり、今の仕事を続けるにしても、方向転換をするにしても、新しい気持ちで、新しい自分をつくっていくための大切なスタートなのではないか」と思うようになりました。そして、たどり着いた自分への答えが「自分の人生、もう一度、海外協力隊からスタートしてみよう!」という考えに至りました。

私の海外協力隊参加は、今回で2回目になります。1回目は、今から37年前(1986年)、昭和61年度1次隊、体操競技隊員として南米ペルーに派遣されました。そこでは、男子ナショナルチームの指導を中心に、国内各地での指導者講習会や大学・体育学部での器械運動の授業などを担当しました。とても充実した活動で、あっという間の活動期間でした。現地の体操選手、仲間たちと一緒に、目標を一つにして、笑顔で楽しく頑張ってこれたことは、私にとってのかけがえのない宝物となりました。

そして、時は過ぎ、定年退職を前に「もう一度、海外協力隊からスタートしよう」という気持ちは、先のような、自分との向き合い方に理由がありますが、もう一つ、私の気持ちを大きく動かしてくれたのは、次のようなことがあったからです。
「Estimado profesor Yoichi …」、SNSを通して、私のもとに懐かしい写真と私を探していたという便りが届いたのです。30年以上前にペルーで指導していた時の選手や仲間たちからの連絡でした。とても驚いたのと同時に一気にあの時の気持ちが蘇ってきました。当時、高校生や大学生だった彼らは、今では、ペルー体操協会の中心的な役割として活躍をしています。代表チームのコーチであったり、国際審判員であったり、体操クラブを経営していたり…、またSNSでは、彼らの近況や大切な家族の写真を紹介してくれたり、私の誕生日を祝ってくれたり…。今現在の彼らが笑顔で幸せに生活している様子がよく分かり、本当に嬉しく思いました。海外協力隊としての活動が終わっても、どんなに時を経ても、彼らとのあの時の熱い思いは終わっていなかった。…あの時の私たちの交流は、確かな心のつながりとしてずっと続いていた…。そのようなことを実感できたのも今回の私の海外協力隊参加の大きな理由となりました。

さて、今回の海外協力隊、エクアドルからの要請内容は、障害児・者支援ということで、障害のある方たちが楽しくスポーツに参加できるような基盤づくり、パラリンピックやスペシャルオリンピックスなどの国際大会参加につながるような選手の発掘や育成などが私の役目となります。誰もが楽しくスポーツに参加できるような世界に、そして、スポーツを通して、みんなが幸せになれるように、現地の方々との交流を大切にした海外協力隊活動をしていきたいと思います。

¡ Buenos días ! 素晴らしい一日は、素晴らしい朝から始まる

駒ヶ根訓練所の一日は、訓練生の笑顔と素晴らしい朝の活動から始まっています。

さて、次に派遣前訓練の話をしたいと思います。2023年度1次隊の派遣前訓練は、4月17日から始まりました。語学授業を中心とした約2か月に渡る訓練生活となります。駒ヶ根訓練所での一日は、朝8時15分「朝の集い」で候補生全員が集まり、そこから始まります。朝食時間は、7時20分から8時00分。特に、起床時間は、定められていませんが、日程表には、5時30分から、共有部分での自習や体育館、屋外での運動が可能とされています。つまり、朝食は決められた時間内で摂るとしても、朝5時30分~8時15分までの2時間45分、訓練生は、自分自身で自分の有意義な時間をつくることができます。

訓練生の朝の活動を紹介しますと、訓練所から外に出て、散歩やジョギング、ランニングをする人、キャッチボールやノック、リズム・トレーニングや筋トレをする人、卓球の集まり、サッカーのボールリフティング、なわとび、ヨガ・・・、6時30分からはラジオ体操、その他、居室の清掃、洗濯、語学自習など、実にみなさん、朝からパワフルでエネルギッシュです。駒ヶ根訓練所は、駒ヶ岳を抱く中央アルプス山系に見守られ、訓練所内には、体育館やトレーニングジム、その他にも運動可能な多目的施設、学習スペース、休憩スペースなどが整えられており、私たち訓練生の健康を支えてくれています。そして、訓練生は、朝から自主的な活動を通して、健康的に、みんな笑顔で輝いています。¡ Buenos días ! おはようございます!今日も一日頑張っていきましょう! 駒ヶ根訓練所、訓練生の素晴らしい一日は、素晴らしい朝から始まっています。