訓練生日記~2023年度1次隊⑤ 狐野良勧さん スリランカ/音楽~

【写真】狐野 良勧さん隊次:2023年度1次隊 派遣予定国:スリランカ 職種:音楽
狐野 良勧さん

新しい生活がスタート!

スリランカ国歌の斉唱

2023年度1次隊、音楽隊員としてスリランカに派遣予定の狐野良勧(このりょうけん)です。徳島県で7年間、小学校教員として勤務していました。自己啓発休業制度を利用して今年の3月から休職し、現在駒ヶ根訓練所でたくさんの同期隊員の方々と生活しています。

入所翌日の自己紹介オリエンテーションの際、「YOUは何しに協力隊へ?」というお題で話し合う活動がありました。私は、大学のゼミの先生が「協力隊員の意識変容」を研究している方で、卒業研究としてそのお手伝いをするうちに、協力隊に興味をもつようになりました。他の方の話を聞いてみると、職場に元協力隊の先輩がいたから、学生時代からの夢だったから等、志望動機は人それぞれです。実に多種多様な背景を持った方が集まるこの訓練所で、たくさんの興味深い話を聞くことができました。

さて、私が日々格闘しているスリランカの現地語であるシンハラ語ですが、今隊次は訓練生が6人、先生が2人で、朝にみんなでスリランカ国歌を歌ってから、2つのクラスに分かれて授業がスタートします。授業の内容は主に教科書を使って行われますが、学んだ文法を自分でアレンジして、相手に質問する、それに答えるという練習を必ず行います。自分が伝えたかったことをシンハラ語で言えるようになった時の喜びは何物にも代え難いものがあります。また、先生がシンハラ語で雑談をしてくれることも多く、楽しみながら言語を学ぶことができています。先日も先生がドラマ『半沢直樹』が好きだという話から、あのセリフをシンハラ語でどのように言えるのかということを教えてもらいました。「マタ ガハナワ ナン ママットゥ ガハナワ、 ウィディヤ ハイイェン ガハナワ!(私を叩けば私も叩く、より強く叩く!)」口角を上げ、目を細めて言うとよりそれっぽくなります。是非お試しください。

様々な視点から世界を見つめる

SDGsカードゲーム

訓練所では、語学授業の他に必修講座、選択講座、自習講座等があります。今回は私が実際に受講した「SDGsカードゲーム」という選択講座について紹介します。
このゲームでは「お金」「時間」「プロジェクト」「〇色の意思」等様々なカードを使います。まず初めに、「お金カードを〇枚集める」「〇色の意思カードを〇枚集める」等の異なる達成条件がグループ毎に与えられます。そして、制限時間内にプロジェクトを進めて報酬をもらったり、他のグループと交渉してカードを交換したりして、条件の達成を目指します。また、ゲーム全体で共有される「経済」「社会」「環境」という3つの指標があり、進めるプロジェクトの種類によって、各指標が増減します。例えば「高速道路の開通」というプロジェクトであれば、経済が+1、環境が-1されるといった具合です。もちろん何を優先するべきという明確な基準はありませんが、自分たちのグループの条件を達成しさえすれば、それで良いのだろうかということを考えさせられます。

実際に私たちが行った時には、条件を達成できなかったグループがいたり、「経済」の指標だけが多かったりと、様々な問題が起きていました。ゲーム終了後に「ゲームの最中にどんなことを考えていたか」「このゲームのどのような部分が現実の世界とリンクするか」についてグループや全体で交流することによって、さらにまた新しい気付きや発見がありました。

ここでは書ききれませんが、他にもたくさんの魅力的な選択講座、自主講座があります。そして何より、講座の中でたくさんの同期の方と意見を交わし、新たな視点を獲得できることこそが、訓練所ならではの大きな強みだと感じています。もし、みなさんが入所した際には、是非積極的に色々な講座に参加してみてください。