所長あいさつ

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2019年3月19日にマダガスカルに着任しました。

マダガスカルはインド洋に浮かぶ世界で第4番目に大きな島国(日本の1.6倍の面積)です。日本ではアイアイやワオキツネザル、バオバブなどで知られていますが、この国の動植物はその8割以上が他の国ではお目にかかれない固有種で占められており、また民族の起源も遠くインドネシア方面から渡ってきたとされ、まさに「アフリカに最も近いアジア」であり、極めてユニークかつ魅力あふれる国です。

マダガスカルへの日本の経済協力は1969年に開始され、JICAは2003年から現地事務所を置いて活動しています。2009年から2013年の間はマダガスカルの政治情勢により、新規の経済協力は停止されていましたが、2013年の民主的選挙以降、日本の協力も再開されました。

昨年(2018年)12月には国政史上初の民主的に選出された大統領間での政権移行により、アフリカ随一の若いアンジー・ラジョエリナ大統領(44歳)が選出され、5年で新興国入りを目指すべく、「平和」、「安定」、「持続的開発」をキーワードとする「マダガスカル新興計画」を立案し、現在は、閣僚以下政府・行政人事の刷新をはじめ、関連ドナーや外国資本への働きかけを急ピッチで進めているところです。

一方で、マダガスカルは観光や水産資源と天然資源に恵まれて、経済発展のポテンシャルは高いものの、先の政治不安の影響もあり、一人当たりの国民総所得は412ドル(IMF2017)、貧困率は人口の約8割に上り、人間開発指数は154/188位(UNDP 2016)にとどまっており、依然として貧富の格差が広がっているのが現状です。

かかる状況下、JICA事業も比較的順調に拡大してきていますが、経済開発と社会開発のバランスをとりながら同国の発展に寄与すべく、教育(学校運営改善)・保健(母子保健)を主体とする社会開発セクター、稲作、生活改善を主体とする農業・農村開発セクター、トアマシナ港湾拡張整備(円借)に代表されるインフラ整備を主体とする社会経済・インフラ都市開発セクターの3分野に集中して事業を展開していく予定です。青年海外協力隊も30名を超える規模を誇り、今後はさらなる派遣数拡大に向けて取り組む所存です。

また、JICAマダガスカル事務所は、他にコモロ連合、モーリシャスの2カ国を兼轄しています。

コモロ連合はマダガスカルの北東に位置する3島からなる小島嶼国で、過去の分離独立運動による政治危機の影響もあり、最貧国の一つで様々な課題を抱えています。JICAは「人間の安全保障」を核に、主に母子保健サービスの向上や栄養改善を中心に支援を行なっていきます。

同じく、小島嶼国で高中所得国であるモーリシャスに対しては、環境・気候変動対策・防災分野において協力を展開しています。特に気候変動適応策の一環として、地滑り対策などの防災、気象予報、下水施設整備などの協力を行っています。

3か国にまたがるバラエティに富んだ事業を円滑に進め、さらなる発展を目指すためにもまじめで勤勉なマダガスカル人スタッフとともに、所員一丸となって全力で取り組んでいく所存です。

JICAマダガスカル事務所長 梅本 真司