所長あいさつ

【写真】

2019年3月19日にマダガスカルに着任しました。

マダガスカルはアフリカ大陸の東南部、モザンビーク海峡を挟んでインド洋に浮かぶ世界で第4番目に大きな島国(日本の1.6倍の面積)です。日本ではアイアイやワオキツネザルなどの希少動物やバオバブなど世界的な生物多様性の宝庫として知られており、観光資源も豊富です。民族の起源は、一説には紀元前3~5世紀頃にインドネシア(ボルネオ島)方面から渡ってきた人々とされる一方で、アフリカ東海岸等からの移入もあり、その足跡は言葉や音楽、踊り、伝統宗教、住居様式などにも表れており、アジアとアフリカ両方の特長を併せ持った独特の風土を持つ魅力あふれるお国柄です。

マダガスカルへの日本の経済協力は1965年度に技術協力を開始して以来、無償資金協力(1972年度~)および円借款(1973年度~)を通じて、インフラ、農業・水産、教育、保健、水と衛生分野など幅広い分野における開発に貢献してきました。2002年度には青年海外協力隊員の派遣が開始されており、2019年8月末現在の累計で200名が派遣されています。またJICAは2003年度から現地事務所を開設しました。

昨年(2018年)12月の大統領選挙では、アフリカで一番若いアンジー・ラジョエリナ大統領(44歳(当時))が選出されました。同大統領は、「平和」、「安定」、「持続的開発」をキーワードとする「マダガスカル新興計画」を立案し、現在、汚職対策強化、道路、電力、給水等インフラを中心とする公共事業の迅速化など公約の実現へ向けて、開発を急ピッチで推し進めようとしています。また、2019年5月に行われた国民議会選挙において政権与党は絶対安定多数を獲得し、今後の安定した政権運営が期待されるところです。

かかる状況下、JICA事業も比較的順調に拡大してきていますが、現在では、教育(みんなの学校プロジェクト)・保健(5S、母子保健)を主体とする社会開発セクター、稲作(コメ生産性向上・流域管理プロジェクト(PAPRIZ))、生活改善を主体とする農業・農村開発セクター、トアマシナ港湾拡張、アンタナナリボ、トアマシナ及び国道2号線の開発計画策定に代表されるインフラ整備を主体とする経済・インフラ都市開発セクターの3分野を柱として事業を重点的に展開していく予定です。なお、栄養分野での取り組み(食と栄養改善改善プロジェクト(PASAN)はマルチセクター案件として今年度から開始されています。また、青年海外協力隊も40名規模へと順調に拡大しています。

アフリカ大陸を西に、インド洋の向こうには大国インド、アセアン諸国を臨む戦略的位置にあるマダガスカル。この国の将来を見据えて、今なすべきことはなにか?を常に意識しながら日本とマダガスカルのあらゆるレベルの関係強化にJICAとしても少しでもお役に立ちたいと思います。

また、JICAマダガスカル事務所は、他にコモロ連合、モーリシャスの2カ国を兼轄しています。

コモロ連合はマダガスカルの北西に位置する3島からなる小島嶼国で、過去の分離独立運動による政治危機の影響もあり、最貧国の一つで数多くの開発課題を抱えています。JICAは「人間の安全保障」を核に、主に母子保健サービスの向上や栄養改善を中心としつつ、過去の水産協力(「国立水産学校」(無償資金協力))のアセットを大切にしながら、第三国からの専門家派遣等を通じた支援を継続していきたいと思います。

同じく、小島嶼国で高中所得国であるモーリシャスに対しては、これまで環境・気候変動対策・防災分野において地滑り対策(技術協力)、気象予報能力強化(無償資金協力による気象レーダーの建設)、下水施設整備(円借款)などの協力を行っていますが、今後は、開発パートナーとしてのモーリシャスのポテンシャルに着目し、「自由で開かれたインド太平洋構想」に貢献すべく、防災対策を始めとする地域間協力の拠点として新しい関係を築いていきたいと思います。

3か国にわたるバラエティに富んだ事業を円滑に進め、更なる発展を目指すべく、まじめで勤勉なマダガスカル人スタッフとともに、所員一丸となって全力で取り組んでいく所存です。日本人であれば必ず好きになる国、マダガスカルへぜひ一度お越しください!!

JICAマダガスカル事務所長 梅本 真司