マラウイボランティアレポート「カムズ国際空港見学で見つけたもの」

2021年10月6日

名前:井上 里奈
隊次:2021年度1次隊
職種:小学校教育
配属先:セントテレザ小学校
出身地:東京都三鷹市

9月29日、カムズ国際空港の支援プロジェクトに携わっている専門家の水政さんの招待で、カムズ国際空港と航空学校を見学に行きました。マラウイに赴任して1ヶ月半が過ぎようとしています。マラウイでの生活にも慣れ、改めてマラウイという国について考えるきっかけになりました。

最初に私たちが着いた「マラウイ」はカムズ国際空港でした。そのときの印象は「国際空港だけどガランとしている」という驚きでした。また、空港から滞在先に向かう道中も「何もなさ」にびっくりしながら、ここマラウイでの生活に希望と期待と不安を覚えながら移動したのを覚えています。今回、同じ道を辿りながら空港に向かう道中では、小さいながらも村があることを発見し、同じ景色を見ても何も驚きを感じませんでした。そして、空港に着くと「栄えている」という印象を抱き、マラウイでの生活への慣れを感じ嬉しくなりました。

今回の見学で一番印象に残っているのは「日本の支援の多さ」です。最初に入った管制塔の中にあったパソコン機器や空調設備などほとんどのものに日の丸のマークがついていました。数を数えはじめましたが、とても数えきれる量ではありませんでした。そして、それは管制塔の中だけでなく、航空学校の中の練習用機材にも同じように日本のマークのついた機器がたくさん残っており、日本の支援の多さを感じました。しかし、日本の支援はパソコン機器だけでなく、管制塔、そしてカムズ国際空港の建設にも40年も前から関わっており、日本とマラウイの歴史の長さも分かります。また、空港のいたるところに、日本が関わったというプロジェクトの証が飾られており、誇らしかったです。

また、管制官とも話をすることができました。Ms. Chikondiさん、Mr. Fredricさんは学校の先生から管制官になった方々です。「常に新しいことにチャレンジしたい。」という想いから、職種を変更したそうです。働いている姿はとても凛々しかったです。

マラウイでは、工場や研究施設が少なく理系の職場というものがあまりありません。マラウイの子どもたちにとっては、なぜ理数系の勉強をするのかという理由を職業に見つけることがなかなか難しい状況にあります。インターネットやテレビ、新聞などの手段がないとどうしても自分のなりたい職業像は身近な人々のものに限定されてしまいます。実際に管制官の仕事を見ること、話を聞くことなど、少しでも具体的な姿を見せること、仕事に携わっている人から話を聞くことで自分の夢を広げることにつながると思います。コロナ禍で直接話を聞くことは難しい状況にはありますが、オンラインや動画などで見せて、子どもたちの世界を少しでも広げたいと思いました。またジェンダーイクオリティが叫ばれていますが、なかなか女性の社会進出には厳しい面がまだまだ残っていることを感じます。Chikondiさんのように活き活きと働いている姿を見ることは、女の子にとってよい憧れになるのではないかと思いました。

2人と話をしている中でマラウイの子どもたちはかけ算などの計算が苦手なこと、学校教育が抱える問題などをたくさん伺うことができました。学校のシステムなどはすぐに解決できることではありません。私は「知らないことを知らない」という状況はとても悲しいことだと思います。まずは「知らないことを知る」に変えることから始めていきたいと思います。また、子どもたち自身が意欲的に学びたいと思えるきっかけを作っていきたいです。そして年齢が低いうちからのキャリア教育なども視野に入れながら、今回の見学での自分自身の感動も伝えていきたいです。日本とマラウイとの関わりの歴史についても自分自身も学びながら活動をすすめていきたいです。

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日本からの支援のパソコン機器

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管制塔で働くChikondiさん

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管制官のFredricさん

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日本とマラウイの関係を示す証

(参考リンク)