思い出の一枚「マラウイと日本の繋がり」

2021年4月15日

名前:前田 悠佑
隊次:2018年度1次隊(2018年7月9日~2020年7月8日)
職種:薬剤師
配属先:カムズ中央病院
出身地:東京都練馬区

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「ちょっとそこの人達、ワニが出たから気をつけて!」
これは任地リロングウェを離れて遊びにきたンコタコタの湖での出来事でした。サファリでもない気軽に散歩できるところにワニが出たということに少々驚いていると、注意してくれた現地の方が「ワニが出たけど、レンジャーがすぐ来るから大丈夫だよ。」と。
砂浜から少し距離を置いて湖を眺めていると、見るからにレンジャーといった格好の男性が現れました。彼は視力の良いその目でワニの出現スポットや周囲を見渡して安全を確認した後、目撃者に声をかけ始めました。彼が私のところに来ると、まるでワニのことはさておきといった調子で「君は日本人かい?」と。話を聞くと、彼は30年以上前にセカンダリースクールで理科を教えてくれた日本人のことを覚えており、当時のことを話してくれました。「日本人は英語が苦手かもしれないが、理科の授業はとても素晴らしかった。」という言葉と当時を懐かしんで話す彼の表情から、こちらも嬉しくなるとともにマラウイでのJICA海外協力隊の歴史の長さを感じる一幕でした。

配属先であるカムズ中央病院では、現場での医療の質を向上するような活動をしていましたが、もどかしいことが多く、同僚の一挙手一投足に一喜一憂することもたくさんありました。そういう場でもひょんなところで日本人と一緒に働いたことがあるという人に出会い、そして、「○○は私の友達だよ!」「○○は俺のブラザーだ!」といった調子で教えてくれました。そんな時、医療の質の改善(KAIZEN)や5Sの実施とはまた別のところで、国際交流の影響力を感じ、綿々と受け継がれているマラウイと日本の繋がりを大切にしたいなと思いました。

次回は、2017年度3次隊の上田啓介隊員(障害児者支援)の思い出の一枚です。