jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

地域概況

東南アジア

共創パートナーとの新たな連携

目覚ましい経済発展を遂げ、世界にその存在感を高める東南アジア。その開発課題は多様化・複雑化し、地球規模の課題も顕在化しています。

JICAはこれまでに培った信頼の下、東南アジア各国との新たな連携を築いています。2024年には、ASEAN4カ国※1の開発協力機関を招いてラウンドテーブル会合を開催し、互いに対等なパートナーとして連携を深め、ASEAN域内外への開発協力に共に取り組むことを確認しました。

東南アジア協力の重点領域

東南アジア地域の平和、安定、繁栄に貢献するため、JICAは域内の経済統合や空港、港、道路など物理的な連結性に加え、海上保安能力の強化を通じた安全な海洋航行の実現に取り組んでいます。また、経済・社会の発展と世界的な社会課題である脱炭素化の実現を両立させるため、産業界とも連携し持続可能な社会の実現を目指しています。さらに、これらを担う人材の育成にも積極的に取り組んでいます。

2024年12月には、円借款で整備されたベトナム初の地下区間を含むホーチミン市の都市鉄道1号線が開業しました。日本製の車両や鉄道の安全な運営体制など、日本の鉄道に関する技術や知見が生かされています。市内の渋滞や大気汚染の緩和、地域経済の発展への寄与が期待されます。

気候変動の影響で自然災害が多発しているフィリピンでは、河川改修事業への協力や気候変動対策の制度・政策を財政面で協力することにより、さまざまな災害への脆弱性に対応しています。インドネシア、カンボジア、ラオスでは脱炭素に向けた長期計画策定に協力しています。また、インドネシアでは初のPPP※2による廃棄物発電事業にも取り組みました。

JICAは、ASEANによる災害対応・人道支援の能力強化のほか、東ティモールのASEANへの正式加盟など、地域の一体性を確保し、将来にわたり地域全体を支える基盤づくりにも取り2024年度 組んでいます。

※1 インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイの4カ国。
※2 Public Private Partnership

東・中央アジアおよびコーカサス

経済的な自立と産業の育成が課題

東・中央アジアおよびコーカサス地域は、内陸国が多くを占め、中国やロシア、アフガニスタン、中東諸国に隣接し、これらの国から政治・経済的な影響を強く受けています。

モンゴル、ウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンはエネルギーや鉱物資源が豊富なものの、各国の経済は資源の国際価格の変動に影響されやすく、資源依存からの脱却が課題です。他方、エネルギー資源に乏しいタジキスタンやキルギスでは、ロシアなどへの出稼ぎ労働者による送金がGDPの大きな割合を占めており、経済的な自立に向け国内産業の育成と雇用の創出が急務です。

自立と安定に向けた協力

この地域の自立と安定に向けて、JICAはガバナンスの強化、産業の多角化、インフラの整備、若手行政官や高度産業人材などの人材育成、保健医療システムの強化などのほか、域内外の連携促進にも取り組んでいます。

2024年度は、ウズベキスタンに対し包摂的かつ強靭な社会の実現に向けた財政支援借款や医療の高度化を支援する円借款を供与しました。また、キルギスでは幹線道路に架かる「桜橋」や防雪柵を配した「日本友好トンネル」が完工。モンゴルでは工学系高等教育人材育成を通じ日本との共同研究や産業連携を推進したほか、空の連結性強化を支える国際空港施設の拡張に向けた調査を行いました。

広域案件としては、カスピ海ルート(中央回廊)の税関機能を強化するための研修、カザフスタンの援助機関と共催し中央アジア・コーカサス地域の地震防災セミナーなどを開催しました。

南アジア

成長可能性の裏にある開発課題

南アジア地域は、東南アジアと中東、アフリカをつなぐ地政学的な要衝です。約20億人の人口を有し、うち25歳未満が約半数を占めています。2024年の経済成長率は地域全体で6.0%(推定値)と、世界的には高い水準にあります。

一方、南アジアは1.9億人もの絶対的貧困人口を抱え、ジェンダー格差が大きく、また、気候変動に伴う災害などにも脆弱な地域です。

幅広い協力を展開

JICAは、南アジアを取り巻く開発課題への対応と強靱な社会システムの構築に向け、インフラ整備、貿易・投資環境整備、保健医療や教育の改善、平和と安定、人的交流促進、デジタル化の推進、防災などの地球規模課題への対応などに取り組んでいます。

2024年には、経済危機を受けて停止していたスリランカへの円借款の貸付と調達を再開し、同国の国際通貨基金(IMF)プログラムを踏まえた経済改革を支援しました。また、ネパールでは円借款で供与した同国初の山岳道路トンネルが4月に貫通し、9月末に発生した豪雨時には緊急車両の通行を支え、5,000人以上が安全に避難することができました。

気候変動対策への取り組みとして、ブータンでは、電力の安定供給や脱炭素化、連結性強化のために水力発電所と送電線を整備する事業への協力を開始。さらに、インドや2024年8月に暫定政権が発足したバングラデシュで、都市鉄道や都市間をつなぐ鉄道建設への協力を引き続き行っています。また、アフガニスタンでは日本政府の方針を踏まえ、国際機関などと連携し、幅広い人道支援を継続しています。

人として最低限の生活が送れず生きること自体が困難な状態。