「世界の笑顔のために」プログラムの寄贈式について

当国で活動中の岡田典子隊員（2022年度7次隊、ソフトボール）の配属先であるベリーズ国家スポーツ協議会（以後、National Sports Council of Belizeを略してNSCと記載）において、4月5日（水）に「世界の笑顔のために」プログラム（詳細は、以下の注に記載）の寄贈式が行われました。

物品寄贈先であるNSCは、国民へ適切なスポーツ環境・機会の提供を目的として、各種スポーツの普及、スポーツ大会の開催、スポーツ施設の維持管理に取り組んでいます。同配属先には、2015年から現在までに4代に亘りソフトボール隊員を派遣して競技の普及、ナショナルチーム選手の指導及び指導者育成に取り組んできました。

今般、岡田隊員を通じて配属先であるNSC、活動先であるベリーズソフトボール連盟（以後、Belize Softball Federationを略してBSFと記載）からの物品要望に基づき、同プログラムを通じて日本の大学、高校、クラブチームから各種のソフトボール用具（バット、ヘルメット、グローブ、ソフトボール、キャッチャー用具一式）及びビブスを寄贈して頂きました。今回これらの寄贈された物品を両団体に引き渡すことができました。

JICAベリーズ支所を代表して、佐々木支所長からは、「今回、同プログラムを通じて日本国民から寄贈された物品について、今後のNSC及びBSFの活動に有効に活用して頂きたい。今回、日本の支援者から寄贈されたソフトボール用品は中古物品ですが、とても良い状態で管理されていることがお分かりになるかと思います。これは、我々日本人の独特な特徴でもあります。我々がスポーツを習得するためには、心、技、体を重要視します。心は、スポーツに多くの時間と練習を継続して費やすことで強い心を作ること。技は日々の決まった反復練習を継続することにより基礎レベルから上級レベルの技術を身に付けること。体は、強い体を作ること。高度なレベルの競技技術を習得するためには筋肉を強化する必要があります。また、我々は競技をする際に道具は体の一部であると考えています。そのため心を込めて道具を丁寧に扱います。道具を大切にするために、5S（整理、整頓、清掃、清潔、しつけ）を紹介したいと思います。それは道具を適切に整理して、適切な場所に保管、常に丁寧に磨き上げ、これらの行動を毎日実行して標準化し、継続することです。JICAとしては、今後ともベリーズへの隊員派遣を通じてスポーツの普及・発展に貢献していくつもりです」との言葉が述べられました。

同プログラムを申請した岡田隊員からは、「今回、日本の支援者の方々から寄贈された物品を大切に扱って欲しいと思います。今後活動の一環として貸し出しシステムを作り、効果・効率的に利用できるようにしますので、ベリーズのソフトボールの普及・発展に役立ててもらうことを希望します」との言葉が述べられました。

今回、寄贈式に参加された青年スポーツ・運輸省のフォーガソン大臣、オッシャー副大臣、配属先であるNSCのコール局長、活動先であるBSFのジュード会長からは、「今回の日本国民の支援に対しての感謝の言葉と共に寄贈された物品については、大切に扱うこと。今後の公立学校でのソフト－ボール大会等に有効活用すること。ベリーズの青少年の非行防止対策及び健全な青少年の育成のためにもスポーツは重要な役割を担っており、ベリーズ政府としても今後ともスポーツの普及・発展には力を入れていく方針であること。岡田隊員がこれまで取り組んできたソフトボールの普及活動に対して感謝していること。JICAのベリーズにおける20年以上の協力隊派遣及び種々の協力に対してとても感謝しており、今後ともべリーズと日本との良好な関係が継続していくことを期待している」等の言葉が述べられました。

寄贈式の最後には、大臣、副大臣及び配属先の人々と共に寄贈物品を囲んで記念撮影を実施して終了となりました。

（注）「世界の笑顔のために」プログラムとは、JICA海外協力隊が派遣されている国や地域の人々が要望する物品を、日本国内で募集（対象：無償提供　可能な中古品）、収集し、JICA在外事務所を通じて現地まで輸送するプログラムです。物品を提供するだけではなく、日本国民が物品提供者として、身近に国際協力へ参加できる機会を提供するプログラムとしても位置づけられています。JICA及び隊員は、途上国の人々と日本国民とを結びつける「橋渡し」の役割を担っています。申請者は、現地から要望を受けたJICA海外協力隊及びJICA在外事務所となります。