jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

ラストチャンスで踏み出した国際協力(小関博 職種:コンピューター技術)

2025.08.26

帰国直前のJICA海外協力隊隊員へ、後輩隊員からボツワナでの日々についてインタビューを実施する本シリーズ。今回はコンピュータ技術隊員として首都ハボロネのハボロネ技術短期大学へ派遣された小関博さんにお話を伺います。70歳で協力隊に挑戦した小関さん。ボツワナではどのような活動をされたのでしょうか?


小関さんの主な活動内容を教えてください。

ハボロネ技術短期大学で、大学内コンピューターのネットワーク管理や、学内システムの安定化を中心に活動していました。また、大学全体のネットワークやシステム環境の改善にも取り組みました。

赴任してすぐ、業者が行ったシステムアップグレードが不完全だったことにより、DNS設定不良やプロキシ未対応など複数の重大トラブルが同時に発生し、学内のインターネットが完全に接続不能になる事態が起きました。さらに、当該サーバがウイルス感染していた可能性があり、原因の切り分けに時間がかかりました。最終的にDNS設定を修正して接続を復旧しましたが、ウイルス感染リスクのあるサーバを放置できないため、新たにサーバを構築しました。

その後も一部PCでインターネット接続が不安定な状態が続きましたが、原因はプロキシサーバのデフォルトルータIPアドレス設定の誤り(赴任前から受け継がれてきた設定ミス)でした。これを修正してからはシステムが劇的に安定し、トラブルは激減。同僚からの信頼を得る大きなきっかけとなり、以降のシステム改善やワークショップによるスキル共有の実施へとつながりました。なお、このプロキシサーバの新旧入れ替えは、いきなり本番環境で実施するのではなく、まず古いPCにLinuxベースの新しいプロキシサーバを設定、動作を実演し安心してもらってから、Windows上の旧プロキシを削除して本格的に移行しました。

加えて、システム改善の一環として学内PCの電源管理システムを導入しました。200台近いPCが夜間もつけっぱなしになることが多く、電気代も無視できないため、自動で午後7時にシャットダウンする仕組みを構築しました。バックアップリストアの導入やE-learningシステム(Moodle)の環境整備にも改善を重ね、最終的にはこれらの普及のためのワークショップに特に力を入れました。


長年のキャリアをお持ちの小関さんですが、協力隊に参加されたきっかけを教えてください。

柔道を長年続けてきたこともあり、周囲には協力隊や海外プログラムに参加する仲間が多くいました。空港まで見送りに行くたび、自分もいつか行くのだろうと自然に思うようになりましたが、なかなか機会が訪れないまま60代に。応募できる年齢上限の69歳、ラストチャンスで挑戦し、合格しました。

職種はコンピュータ技術ですが、本格的にITの道に入ったのは人生の後半です。39歳で製造業の会社を経営し、その後ITを含む複数の業界で経営に携わりました。50代後半で会社を閉じた後、フリーのITエンジニアに転身。この時に初めて外部からエンジニアとして仕事を受けました。


ボツワナで活動する上で大変だったことや、日本との違いはありますか?

活動のなかでは確かに様々な課題がありましたが、それらを苦と感じることはありませんでした。文化の違いを感じる場面もありましたが、ボツワナのお肉はとても美味しく、隊員仲間を招いてBBQを楽しむこともでき、穏やかに暮らせたと思います。

ボツワナでの生活を一言で表すと?

『ひとりでの生活を満喫した』です。私は学生結婚だったため、独身生活はほとんど経験がありませんでした。ボツワナでの生活は自分のことに集中できる貴重な時間であり、その意味でも新鮮で楽しいものでした。自宅でも活動や資料作成に多くの時間を費やしました。


これから協力隊に参加する隊員や応募を考える方へのメッセージ、アドバイスをお願いします!

特定の誰かからアドバイスを受けたわけではありませんが、これまでの人との交流のなかで心に残った言葉があります。それは「ゆっくりやる」こと、そして「協力者をまず一人作る」こと。派遣先ではやることが山積みに思えて焦るかもしれませんが、まずは現場をよく観察することが大切です。自分のペースに持ち込もうと焦らず、ゆっくり取り組む。協力者はたくさんでなくてもよく、心から信頼できる一人がいれば物事は大きく前進します。



インタビュー・文:藤井ゆきこ(ボツワナ派遣、マーケティング隊員)

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ