ブルキナファソ国「国内避難民生計向上調査」における生活環境改善活動~ナショナルボランティアによる現地資源を活用したエコ燃料の普及~
2023.09.15
2023.09.15
ブルキナファソでは、JICAが協力する16名の「ナショナルボランティア」(現地の若者のボランティア)が、国内避難民(IDP)の多い地域において、行政とコミュニティを繋ぐ活動を行っています。具体的には、中央北部州のブスマ及びコルシモロコミューンにおける国内避難民を受け入れるホストコミュニティ( 4サイト)において人々の生計向上に資する活動を、2023年3月から2024年2月まで実施しています。
泥炭を活用したエコ燃料の作成方法説明
右端がナショナルボランティアのオーギュスト氏
ナショナルボランティアによる泥炭を活用したエコ燃料の
作成実技の様子
ブルキナファソでは、2016年以降、国内・周辺諸国の治安悪化に伴い、国内避難民が増加しており、国内避難民数は2023年4月末には、当国人口の約10%にあたる200万人に達しています。
ナショナルボランティアが活動している中央北部州は、国内避難民の避難先として人数が多い地域の一つであり、国内の約30%の国内避難民が滞在しています。中央北部州の国内避難民受け入れ地域では、土地の地権者やコミュニティ住民の協力の下、多くの国内避難民がホストコミュニティに受け入れられています。一方、避難生活が長期化し、国内避難民の数も増大するにつれて、特に日々の煮炊きに必要な燃料を薪に頼っている中で、限られた森林資源に負荷がかっています。
そのため、ナショナルボランティアは、お金を支払わなくても今あるもの(炭残渣と粘土)を使って薪以外の燃料を作成する手法を普及することしました。
ナショナルボランティアが普及した燃料作成手法
① 炭の残渣を用意する
② 粘土を用意する
③ 少量の粘土を容器に湿らせる。
④ 乾燥させた粘土に、炭を加え、粘土と炭を混ぜる
ナショナルボランティアのオーギュスト氏は、ブルキナファソ国の農業・農村開発アドバイザーを通じて学んだ炭残渣と粘土を活用した燃料作成について、自身で普及のための紙芝居を作成し、活動するコミュニティの人々に、実技指導を交えながら作成手法を伝え、実際にコミュニティの人々も燃料の作成を実践しました。コミュニティの人々からは、セメントブロックを作成とともに、本燃料作成も同時に実施でき、今後も活用していきたいとの声が上がりました。
炭残渣と粘土を活用した燃料作成を実践するコミュニティの人々
完成した燃料を掲げるナショナルボランティアとコミュニティの人々
JICAは、従前からその地域に生活上の本拠を有し、かつ同地において類似の業務を実施している若者をナショナルボランティアとして活動してもらい、国内避難民影響地域における生計向上・生活改善を行うため、我が国が有する知見・技術を国内避難民影響地域・ホストコミュニティに普及していきます。
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