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ブルキナファソはサハラ砂漠の南、サヘルと呼ばれる地域に位置する内陸国です。西アフリカの6カ国をつなぐ結節点として、古くからサハラ交易で栄えた歴史ある国です。また、西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)の本部所在地でもあり、サヘル地域を経済的に結合し安定化させるためにも重要な役割を担っています。国名の「ブルキナファソ」は「高潔な人々の国」を意味し別名「一体となった人々の国」であるとも言われます。この国名には、さまざまな民族や宗教の人々が1つになってこの国の発展に向かっていくという願いが込められています。人々は、勤勉で穏やかで秩序と礼儀を重んじており、その点でも大きな魅力をもった国です。

国連開発計画(UNDP)が毎年公表する人間開発指標において、ブルキナファソは全世界約190ヵ国の中で開発が最も遅れている国の一つとされています。この背景には、少ない降水量やたびたび訪れる干ばつなど必ずしも農業に向いているとは言えない厳しい気象条件に加え、近年では地域の治安を脅かす武装勢力が行うテロ活動により経済活動が停滞していることが挙げられます。これらの影響により、ブルキナファソには約200万人を超える国内避難民が発生しているといわれており、「平和と安定」の確保はこの国が抱える大きな課題だと認識されています。

このような状況下においてJICAは、ブルキナファソを含むサヘル地域の安定化に向け、これまで展開してきた3つの分野での協力を着実に継続するとともに、「平和と安定」という新たな課題への支援に注力をしてゆきます。

1.農業開発

ブルキナファソは厳しい自然環境にもかかわらず国民の約8割が農業・牧畜に従事する農業国です。食糧生産を安定化させ、食糧安全保障の向上を目指しながら、農業を通じた栄養改善を図ります。また、基幹産業として農産品の付加価値化を通じた経済活性化を目指します。

2.教育の質の向上

ブルキナファソの人口は10年で3割以上増加しており、基礎教育、特に初等・中等教育へのアクセスと質の向上は大きな課題となっています。国家の開発の基盤となる人材育成は重要であり、教育システムの強化や教育環境の改善を図っていきます。

3.地域経済統合の促進

内陸国であるブルキナファソは物流・エネルギーなどにおいて域内諸国との経済的な結びつきが死活問題となります。運輸交通やエネルギーを始めとする広域のインフラは経済開発のための礎であり、近隣諸国と連携しながら整備を進めてゆきます。

4.平和と安定

約200万人ともいわれる国内避難民に対する支援を、中央政府、地方政府、ブルキナファソ国民の参加(ナショナルボランティア制度の活用)、そして国際機関との連携のもとで推進し、国民が安心して日々を過ごすことができる社会の回復を目指します。

日本は戦後の荒廃を乗り越え発展を遂げた稀有な経験を有する国の1つです。この経験をもとにJICAは、ブルキナファソが自らの社会・文化への高い誇りを維持しながら直面する困難な課題を1つ1つ着実に乗り越えていくために手を差し伸べ、地域の発展、そして国際社会の平和に貢献していきたいと考えています。

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JICAブルキナファソ支所長
小林 丈通