jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

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日カンボジア関係が一層深化する中、2026年10月よりJICAカンボジア事務所長を務められることを大変嬉しく、光栄に存じます。

JICAは1993年にプノンペンに事務所を設立、以来30年以上にわたりプノンペンの奇跡と呼ばれた水道事業を始めとする生活環境整備、橋やシアヌークビル港などの基幹インフラ、経済社会活動の基盤を支える民法支援、カンボジアの地雷除去活動のみならず他国の人材育成にも協力する機関となったカンボジア地雷対策センターなど、国際的にも知られる協力事業を展開してまいりました。このほかにも農業、保健、教育、環境、地方開発など幅広い分野で息長くカンボジアの将来に貢献する事業を展開し、カンボジアの発展と日本との友好関係構築に貢献しております。

一方で、この30年のカンボジアの発展は目覚ましく、人々をとりまく経済・社会の環境は大きく変化し、課題もそれに伴って変化してきていることも感じます。ひとつにはカンボジアの人材開発の進展です。私自身は法整備支援などガバナンス分野でカンボジア支援にかかわってまいりましたが、90年代当初の民法起草に向けた包括的な支援から、直近ではカンボジア政府自身が必要な改革全体を主導して課題を特定しその一部に関して日本の知見を求める形に変化していることに、カンボジアの人材の層が厚みを増し活躍している様子を見出し、非常に頼もしく感じております。

他方、地政学的環境の変化や紛争など国際情勢の目まぐるしい変化が、資源・エネルギー需給やサプライチェーンなどを通じて経済状況に直結し、さらに気候変動など先行きの見通しづらい環境の中で、カンボジアの皆様が難しいかじ取りを迫られる状況も生まれています。こうした難しい環境は、脆弱性が残る公共サービスなどを経由し、ひいては、ひとりひとりの生活や尊厳が危機にさらされるリスクも高まっており、JICAとしてもAIやデジタルなどの技術も含め支援のアプローチを随時アップデートしていく必要性も痛感しています。国際社会の一員としても、日本にとってもカンボジアにとっても危機を克服して平和で安定した豊かな地域や国際社会を作り上げていくことが重要であり、そのために一国では解決できない課題に対して両国はもとより各国の多様な関係者が協力して取り組んでいく必要があるものとも心得ます。

こうした状況において、JICAは、日カンボジア双方の関係者が時間をかけて築いてきた関係を礎に、経済成長をもたらす産業の変革と発展にむけた連結性の強化、エネルギーの安定供給、人材育成、持続可能で公平な成長の実現にむけた生活環境の整備、都市機能強化、教育、保健、農業・地方開発、さらには安心・安全な社会の実現にむけた法司法分野などガバナンス支援、地雷などの脆弱性の克服などを中心に、今後もカンボジアの人々の描く未来のあり方を共有し、共に打ち手を考えてまいりたいと考えております。

加えて、両国の民間企業や自治体、大学、NGOsやその他の開発パートナーなど幅広いアクターとご一緒に協働しながら、新たな解決策やビジネス機会の創出につなげることができるよう取り組んでまいります。カンボジアと日本の次の30年のためにできるだけ多くの日カンボジア間の接点を作り、相互理解と発展につなげていくことが重要です。

JICAのビジョンである「信頼で世界をつなぐ」の下、カンボジアの発展に向け、今後みなさまと共に取り組んでいけることを心から楽しみにしております。

岩間 望