jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

地域住民のニーズに対応した地域警察モデルの構築促進

(1)当該国における警察セクターの開発の現状・課題及び本事業の位置付け

 1891年11月5日に設立されたコロンビア国家警察は、国民の秩序、安全、権利及び自由の保護を目的に、社会の平和と犯罪防止に努めている。昨今、社会の変化に適応するため、犯罪予防に向けた先進技術の積極的な活用が進められているほか、住民参加を通じた地域社会との協力、連携強化による信頼醸成と防犯強化を目指し、2021年に「より人道的な警察改革」の枠組みが設定され、地域警察のサービス強化を図っている。2022年に新大統領として就任したペトロ新政権は、コロンビア国家開発計画(2022‐2026年)にて、「全面和平」(Paz Total)をスローガンに掲げているだけでなく、第二章にて、人間の安全保障と正義や住民の安全を守ることについて強調される等、新政権下でも同枠組みのより一層の強化が喫緊の課題である。

 現在、「より人道的な警察改革」を進めるにあたって、コロンビア国家警察では住民参加型の地域警察の概念・方法論が一定程度確立されている一方で、各地域の警察部隊による持続的かつ実践的な地域警察の計画・実施が不十分である。特に、責任者を含む組織体制の整備、実践マニュアル、評価指標等が確立されていない状況である。

 この状況を踏まえて、日本の知識や経験を現地に適した形で発展させてきたブラジルの地域警察の概念、手法、優良事例を参考にして、コロンビア適用型の地域警察モデルの構築を目指すためにブラジルでの第三国研修実施の協力要請がなされた。単に、ブラジルの地域警察モデルを参考にするのではなく、相互の学び合いを通じて、デジタル技術等の先進技術を組み合わせる等して、より高次の効果的かつ効率的な地域警察モデルの確立が求められている。

(2) 警察セクターに対する我が国及びJICAの協力方針等と本事業の位置付け、課題別事業戦略における本事業の位置づけ

 我が国の対コロンビア共和国国別開発協力方針(2021年5月)において、「和平プロセスの定着を目指した均衡のとれた持続的な社会経済発展への支援」を基本方針とし、「和平プロセスの履行期における均衡のとれた社会経済発展」を援助重点分野としている。本件事業は、地域警察モデルの構築を通じて、国民の犯罪防止と平和促進、秩序、安全、権利及び自由の保護を支援するものであり、当方針に加えてJICA課題別事業戦略「平和構築」とSDG「平和と公正をすべての人に」にも合致する。