コートジボワール共和国向け無償資金協力贈与契約の締結「北部地域における地方政府社会インフラ改善計画(UNDP連携)」:国連開発計画(UNDP)との連携により、不安定化する北部地域における住民と地方自治体間の信頼関係の構築に貢献
2023.11.09
国際協力機構(JICA)は、2023年10月26日、コートジボワール共和国(以下、コートジボワール)にて、国連開発計画(UNDP:The United Nations Development Programme)との間で、「北部地域における地方政府社会インフラ改善計画(UNDP連携)」を対象として、4億2,200万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。
2012年のマリ北部における内乱に端を発するサヘル危機は、ブルキナファソやニジェール等の周辺国にも広がり、イスラム過激主義勢力の急速な拡大による人道的危機を引き起こしています。ブルキナファソと国境を接するコートジボワール北部地域でも、2020年から2021年にかけて武装勢力による襲撃が発生した他、ブルキナファソにおける情勢の悪化を受けて2023年10月時点で4万1千人を超える難民が流入しています。
同地域はもともと開発が遅れており、貧困率も高いことから、難民の流入により、土地や水などの限られた資源を巡って争いが生じる危険性が高まっています。また、暴力的過激主義勢力は、貧困の存在や公共サービスの不在に対して住民が抱く不満を利用し、その勢力を拡大しようとします。そのため、その伸張を防ぐには、行政が公共サービスを提供し、住民のニーズに応えられるようになることが不可欠です。
本案件は、こうした社会の不安定化のリスクを抱えるコートジボワール北部のチョロゴ州及びブンカニ州の5つの地方自治体において、小学校建設や給水施設等の整備と住民との対話を通じた継続的な公共サービスの提供を通じて、地方自治体の能力強化と住民と地方自治体間の信頼関係を構築し、コートジボワール北部地域の脆弱性を軽減し、国内の平和と安定に寄与するもので、SDGsゴール5(ジェンダー平等を実現しよう)及びゴール16(平和と公正をすべての人に)に貢献します。
案件の詳細は以下のとおりです。
【案件基礎情報】
国名 | コートジボワール共和国 |
案件名 | 北部地域における地方政府社会インフラ改善計画(UNDP連携)(The Project for the Improvement of the Social Infrastructure of Local Governments in Northern Region) |
実施予定期間 | 24ヵ月 |
実施機関 | 国連開発計画(UNDP) コートジボワール共和国 内務・治安省 |
対象地域 | チョロゴ州、ブンカニ州の5地方自治体(チョロゴ州自治体、ブンカニ州自治体、ウアンゴロドゥグ市、テヒニ市、ドロッポ市) |
具体的事業内容 | 1)社会インフラの整備と公共サービスの提供・インフラ維持管理にかかる能力強化 (ア)地方自治体による社会インフラの整備約30ヵ所(村落給水施設、教育施設(衛生施設含む)、保健施設、青少年センター等の整備)。 (イ)透明性のあるインフラ整備計画の策定・実施にかかる能力強化、機材供与(コンピューター、印刷機、小型バイク等)。 (ウ)住民との連携によるインフラ維持管理にかかる能力強化(自治体及び住民に対する研修、住民組織の設立支援(女性や難民の参加を促進)、機材供与(事務用品)等)。 2)紛争予防・管理にかかる能力強化 (ア)紛争予防・管理にかかる能力強化(現況調査、民族間対話・融和の促進、行政機関及び住民への研修、紛争予防・管理委員会の設立支援等。女性や難民の参加を促進) |
署名後に握手を交わす、若林コートジボワール事務所長とUNDPコートジボワール代表
スピーチをする一方井日本大使
スピーチをするヴァゴンド内務・治安大臣
チョロゴ州及びブンカニ州の地方自治体代表者との集合写真
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