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北部地域における地方政府社会インフラ改善事業(UNDP連携):2年間の成果と今後の展望

2025.12.02

2025年12月2日、アビジャンにて「北部地域における地方政府社会インフラ改善事業」の合同調整委員会が開催されました。本事業は、JICA、UNDP、コートジボワール地方分権化・地方開発総局の協力により、ブルキナファソやマリからの避難民急増に対応し、ホストコミュニティのレジリエンスと人間の安全保障を強化することを目的としています。
2023年10月から始まったこのプロジェクトは、2026年3月の完了を予定しており、今回は関係者が一同に集まり、これまでの成果について話しあいました。

プロジェクトの背景と取り組んできた課題

コートジボワール北部地域では、周辺国の治安悪化に伴う大量の避難民流入により、既存の社会インフラに深刻な負担が生じています。例えば、定員320名の学校に750名以上の児童が通学し、保健センターは過密状態、水資源は不足し、地域社会の結束が脅かされていました。こうした状況を踏まえ、JICAは「人間の安全保障」を活動の中核に据え、平和と安定、社会的結束の強化に取り組んできました。

プロジェクトの目的

本プロジェクトは、ブルキナファソやマリから急増する避難民の受け入れに直面するチョロゴ州・ブンカニ州において、基礎社会サービスへのアクセスを改善し、コミュニティのレジリエンスを高めることを目指しています。
具体的には、社会インフラ整備、包摂的なガバナンス、紛争解決メカニズムの構築を通じて、恐怖と暴力のない社会の構築に貢献します。ここでは、JICAとコートジボワール政府が長年取り組んできた、「包摂的な地域開発モデル(MODELI)」の手法を活用して、住民を巻き込んだ、自治体の計画策定・実施・維持管理能力の強化も目指しています。

MODELIとは?:計画から維持まで住民参加型の地域開発アプローチ

MODELI(包摂的な地域開発モデル: Modèle du Développement Local Inclusif)とは、地方行政単位での取り組みにおいて、住民参加の計画・包摂的意思決定→透明性と質の高い事業実施→コミュニティ主導の維持管理、を一体化した実践枠組みです。
このモデルの特徴は、ニーズの特定からインフラ管理に至るまで、プロセスのすべての段階における地域コミュニティの関与に基づいている点です。これによりコミュニティの自立とレジリエンスを強化し、相互信頼に基づくコミュニティと政府との連携を強化することを目指しています。

2年間の成果

合同調整委員会では、過去2年間の成果が報告されました。

社会インフラ整備

30の施設を建設・改修(保健センター、給水設備、学校、青年センターなど)。これにより、約386,800人(うち50.5%は女性)の受益者の生活環境が改善されました。

  • 教育分野

1,600人のホストコミュニティと避難民の子どもが就学可能となり、ある学校の退学率は11%から0.5%未満に減少しました。

  • 水供給

約49,600人(うち約38,600人は避難民)が安全な水にアクセスし、水汲みにかかる時間は2時間以上から10分未満に短縮されました。この結果、女性が収入を生む活動に従事できるようになりました。

  • 保健分野

約33,700人(うち約3,900人は避難民)が質の高い医療を受けられるようになり、死亡者数が減少しました。

社会的結束と平和構築

約67,300人(うち約3,200人は避難民)が紛争解決のための対話の場を利用。191人の地域関係者が紛争予防・管理の研修を受け、87件の紛争を解決しました。さらに、地域住民と治安部隊の協力により、武装勢力の摘発事例も報告されています。

ガバナンス強化

建設されたインフラを持続的に維持するために、30のインフラ管理委員会(うち50%は女性)を設置し、持続可能な運営体制を設立しました。

学びと課題

  • 良い事例

MODELIにより、地域住民の主体的参加が促進されるとともに、地域関係者によるインフラへのオーナーシップが促進されることで、インフラの持続性が確保されました。

  • 課題と対応

地元企業の活用によりコスト最適化を実現、国連ボランティアや自治体職員の起用による言語・コミュニケーション課題を克服、治安悪化に伴う対象地域変更にも柔軟に対応しました。

今後の展望

プロジェクトは2026年3月に終了予定ですが、成果を最大化するため、最終評価を実施し、政策への反映を目指します。
若林JICAコートジボワール事務所長はスピーチにおいて、関係者の尽力と信頼に深く感謝し、「より強固で、より包摂的で、より安全なコミュニティ」を共に築く決意を新たにしました。JICAは、MODELIを軸にインフラとガバナンスの取り組みを融合させながら、2026年3月のプロジェクト完了に向けて成果の最大化と持続化を進め、北部地域のレジリエンスと人間の安全保障の強化に引き続き貢献していきます!

会議後の集合写真

UNDPコートジボワール代表によるスピーチ

JICAコートジボワール事務所長によるスピーチ

国家安全保障会議の特別顧問によるスピーチ

UNPDプロジェクトマネジャーによるプレゼンテーション

会場の様子

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