東ティモールは、ポルトガルによる植民地統治の終焉から、インドネシアによる実効支配の時代を経て2002年5月に独立した、今世紀最初に誕生した新しい国です。
約140万人の国民は都市部だけでなく、地方の山間部にも多く居住しています。岩手県とほぼ同じ大きさの国土は山岳地帯が多く、周囲を海に囲まれ、年中温暖な気候で自然豊かな環境です。
独立から20年を経て、治安は改善され、東ティモールは紛争からの復興、基礎的な国の仕組みづくりの時代から、経済成長と生活安定を国民に行き渡らせる発展期に入りつつあります。
一方で、他の東南アジア諸国連合(ASEAN)各国と比較しても、経済的に脆弱であり、依然として経済・社会基盤となるインフラが整備されておらず自然災害に対しても脆弱であるほか、国家予算の多くを占める石油・天然ガス収入の先行きが不透明であること、農業や水産業を含めた産業が発達していないなどの課題を抱えています。また、妊産婦死亡率や新生児死亡率は高く、依然として教育の質の課題も抱えています。
JICAは、実質的な独立を決めた1999年の国民投票が行われた直後から、継続的に東ティモールの支援を行ってきました。独立に先立つ騒乱により疲弊したインフラの修復、人材育成、NGOとの連携やJICA海外協力隊を通じた住民の生活向上や社会サービスの改善などの活動を行ってまいりました。
近年では、安定的に選挙も行われるようになり、民主的な国として歩みを進めています。ASEANへの加盟も見えてきた中、今後もこれらの活動を通じ、東ティモールの発展に貢献できるよう取り組むとともに、東ティモールと日本の方々との交流・架け橋となるべく尽力して参ります。
本ウェブサイトでは、東ティモールにおけるJICA事業について紹介しておりますので、発展期の東ティモールの開発についてともに考え、行動するきっかけとして頂けましたら幸いです。
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2025年3月
JICA東ティモール事務所長
福森 大介
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